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代用肉ブーム到来! 培養肉に大豆ミート…世界で広がる週1回は、ミートフリー?

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

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代用肉を利用したさまざまな食品が一般化し始めている。(写真/GettyImagesより)

 家畜から生産される食肉の代わりとして、代用肉が注目されている。

 9月9日に「無印良品も参戦する世界の昆虫食 コオロギVSトノサマバッタの“昆虫代理戦争”が勃発!」で「昆虫食」を取り上げたところ、多くの反響を頂いた。そこで、今回は代用肉について取り上げてみたい。

 世界では人口増加や中所得国・低所得国の経済成長などを背景に、将来的に食肉などの畜産物の需要増加が見込まれている。国連が発表した2017年の世界の人口は76億人だが、50年には98億人に増加すると予測されており、食糧や水不足の危機が懸念されている。

 FAO(世界食糧農業機関)は今後の人口増加や1人当たり畜肉消費量の増加により、10 年から50年にかけて世界全体の畜肉消費量が1.7倍、特に開発途上国では2倍以上に増加すると予測している。

 米農務省によると、世界のトウモロコシ消費量の約6割、小麦消費量の約2割が家畜の飼料用に消費されているとしている。農地面積全体の77%が家畜飼育や飼料栽培に利用されている。農林水産省によると、食用肉1キロの生産には牛肉で11キロ、豚肉で6キロ、鶏肉で4キロの穀物が必要となる。

 さらに、FAOは畜産によって排出される温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)は、産業全体の総排出量の14.5%を占め、畜産は地球温暖化の一因となっていると指摘している。

 加えて、近年では欧米で「動物福祉」という考え方が急速に広まっていることも、代用肉への注目を高める一因となっている。

 動物福祉とは、動物の「5つの自由」である①飢えと渇きからの自由②不快からの自由③痛み、けが、病気からの自由④正常な行動を発現する自由⑤恐怖と苦悩からの自由を実現することを目標としたものだ。

 1924年に設立した世界の動物衛生の向上を目的とした国際機関であるOIE(世界動物保健機関)も、04年から家畜の飼育環境や食肉処理に関する条項を含む動物福祉規約の整備を進めている。

 こうした動きに呼応するように、欧米では「フレキシタリアン」が増加している。フレキシタリアンは日常の食事の中で、一定程度の肉食を避ける人たちを指し、「フレキシブル」(柔軟)と「ベジタリアン」(菜食主義)とを組み合わせた造語だ。

 きっかけは、08年当時に国連気候変動に関する政府間パネルの議長を務めたラジェンドラ・パチャウリ氏が、「地球温暖化対策に貢献したいなら週に1度、肉を食べない日を設けるべき」との発言だった。

 この発言以降、欧米の大学などで月曜日には肉を食べない運動「ミートフリーマンデー」など広がった。「ミートフリーマンデー」は、元ビートルズのポール・マッカートニー氏らが09年に始めたと言われており、米国ニューヨーク市では、19 年から市内の全公立学校の給食に「ミートフリーマンデー」を導入している。

 こうした大きな流れの中で、解決策として代用肉が注目を集めているのだ。代用肉には、植物性タンパクを原料とする「植物肉」と家畜の細胞を培養したものを原料とする「培養肉」がある。

 政府が今年3月31日に閣議決定した「食料・農業・農村基本計画」では、食料安定供給を確保する施策の1つとして、代替肉の研究開発等が盛り込まれている。4月17日に農林水産省が立ち上げた将来的なタンパク質の供給の多様化について検討する「フードテック研究会」でも代用肉が検討対象となっている。

 植物肉は、欧米ではすでに一般化しつつある。

 米国では19 年、食肉大手のタイソン・フーズ、加工食品大手のケロッグなどが植物肉事業に参入を発表、17 年には食品大手のネスレが菜食主義者向け食品製造のスイート・アースを、18 年には食品・日用品大手のユニリーバがオランダで植物肉を製造するベジタリアン・ブッチャーを買収した。米国のビヨンド・ミートは19年に中国スターバックスでの植物肉の販売を開始し、米国のインポッシブル・フーズは全米1000店以上のレストラン等で植物肉を採用している。

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