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代用肉ブーム到来! 培養肉に大豆ミート…世界で広がる週1回は、ミートフリー?

意外と古い植物肉の歴史

 実は植物肉の歴史は古い。前出の加工食品大手のケロッグの創業者であり、コーン・フレークの発明者のジョン・ハーベイ・ケロッグが、小麦に含まれるグルテンと牛乳に含まれるカゼインから肉に似た食品を製造する方法を考案し、1907年に特許を取得している。110年以上も前の話だ。

 国内でも植物肉は徐々に浸透し始めており、多くのスーパーなどでは大豆を使った「大豆ミート」などが販売されている。また、モスバーガーは今年5月21日から全国で植物肉を使った「グリーンバーガー」の発売を開始している。

 一方、培養肉は13年にオランダのマーストリヒト大学のマーク・ポスト教授が、牛の骨格筋幹細胞から作った培養肉を世界で初めて発表したことから始まる。同教授はモサ・ミートを立ち上げ、22年頃の商業化を目指している。

 また、15 年に設立された米国のベンチャー企業メンフィス・ミーツは、17 年に世界で初めて鶏の幹細胞を使った培養肉の製造に成功した。21年の商品化を目指している。

 国内でも、日清食品ホールディングスが東京大学と共同で、牛の筋肉細胞を立体的に培養し、分厚いステーキ肉のような食感を持たせる研究に取り組み、19年3月に世界で初めてサイコロステーキ状の培養肉を作製したと発表した。

 代用肉はタンパク質変換効率(摂取したタンパク質で得られるタンパク質の量)が非常に高い。鶏肉の変換効率が19.6%であるのに対して、代用肉は70%を超える。それだけ有望な食品だ。

 だが、食品としての安全性、味や風味、製造コストなど乗り越えなければいけない課題がまだある。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2020/11/29 09:00
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