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ネットフリックス番組も…アメリカで大麻系エンタメが一般化!一般人はどう捉えていのか

文=小神野真弘(おがみの・まさひろ)

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Netflix『クッキング・ハイ

 ドラッグの合法化・非犯罪化の潮流はもはや留まる気配がない。とくに2020年11月は世界的にドラッグ産業のターニングポイントとも呼べる月だった。

 メキシコでは11月19日、娯楽用大麻使用を合法化する法案が賛成多数で上院を通過。下院で承認されればウルグアイ、カナダに続く3番目の「国土全体が合法」の国が誕生することになる(そして、まもなくそれは現実になるだろう)。約1億3000万の人口を擁するメキシコが合法国となれば世界最大規模の大麻市場になるともいわれる。

 11月3日に大統領選が行われたアメリカでも、やはりドラッグにまつわる大きな社会変化が起きた。

 この国では大統領選と同時に、各州でさまざまなテーマの住民投票が行われるのだが、アリゾナ、モンタナ、ニュージャージー、サウスダコタの4州では娯楽用大麻使用の合法化の是非を問う住民投票が実施され、4州全てで解禁された。また、オレゴン州の住民投票ではアメリカで初めて個人によるコカインやヘロインなどのハードドラッグの所持が非犯罪化されている。仮に所持が露見しても罰金(約1万円)か健康診断が科せられるだけだという、驚くようなゆるさだ。

 こうした展開を受け、米国版バズフィード・ニュースは11月4日、「この選挙の本当の勝者はドラッグである」(The Real Winner Of The Election? Drugs.)というタイトルの記事を掲載。ニューヨーク・タイムズは11月5日付の記事で、「ドラッグは今やアメリカの日常風景の一部になったと多くの国民が認めるに至った」と書いた。

 決して大げさな表現ではないはずだ。

 アリゾナ、モンタナ、ニュージャージー、サウスダコタの解禁によって、アメリカ50州のうち15の州、人口比でいえば21歳以上のアメリカ国民の3人に1人が、大麻が娯楽として認められた社会で暮らすことになったのだから。

 だが、大麻合法化が進む社会に暮らす人々が、実際のところどのような心情を抱いているのかはあまり報じられない。ひとつの理由として、大麻をどう受け止めるかは世代や居住地域、経済状況、信仰などで変わり、多種多様な人々が暮らすアメリカでは、社会における「共通認識」のようなものを一概に見出しづらいというのが挙げられる。

 近年のエンターテイメントやポップカルチャーの文脈においては、大麻を肯定的なイメージで扱うケースが明らかに増えた。大麻を使った料理対決を行う番組「クッキング・ハイ」(Netflix)などのヒットや、「大麻ソムリエ」といった職業の成立は象徴的な出来事だろう。

“大麻はちょっとした非日常を満喫するためにもってこいの嗜好品で、好奇心や冒険心を満たし、人生をより豊かなものにしてくれる”――実際に触れる機会が少ないがために、メディアを介した大麻像が影響力を持ちやすい日本から眺めると、なおのことこんなイメージが強いのではないか。

 けれど、イメージはイメージであり、事実ではない。

 アメリカでは社会の「共通認識」を見出しづらいと先に述べたが、あくまで生活感覚として、ある程度の普遍性をもった実感を述べることはできる。筆者が暮らしていたニューヨーク市では(と、断ったうえでの話になるが)2020年現在であっても、一般的な仕事に従事する犯罪歴のない人々は、娯楽のために大麻を吸うことは「だらしない」「褒められたことではない」と考えるのが多数派である。

(捕捉をすると、2020年12月現在でもニューヨーク州では娯楽用大麻は合法化されていない。だが19年7月に、娯楽目的の大麻所持は逮捕せず、罰金を求めるだけの「非犯罪化」が行われ、公共の場で喫煙する者が増加した。そしてそもそも、それ以前から売買や喫煙は公然に行われていた。すなわちニューヨークにおいて大麻が「だらしない」と受け取られるのは、遵法精神の欠如が批判されているわけではなく、特定の嗜好品に依存してしまう意志の惰弱さが主要な理由となっていることを強調しておきたい。そしてこの感覚は他の多くのアメリカの都市にも当てはまると思われる)

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