日刊サイゾー トップ  > 『麒麟がくる』明智光秀“生存説”の裏話

『麒麟がくる』“明智生存説”をひもとく「本能寺の変」のあとに見つかったのは“3つの首”だった!

クリス・ヘプラーは光秀と血縁? 明智の子孫のその後

『麒麟がくる』明智生存説をひもとく「本能寺の変」のあとに見つかったのは3つの首だった!の画像3
クリス・ヘプラー公式サイトより

 さて……明智の子孫たちがどうなったのかについても少し触れておきましょうか。細川家に、明智たま(=ガラシャ)を通じて流れ込んだ血脈は有名ですが、最近ではクリス・ヘプラー氏も実は明智光秀と血がつながっているとニュースになったりもしました。

 明智は謎の多い男で、子どもの数も実は定かではありません。秀吉による明智の血縁者の残党狩りも一時期厳しかったものの、生き残った子がいたことはどうやら事実のようです。江戸時代、生き残りの一派が「明田」に改姓、能役者、もしくは能舞台の裏方である笛の奏者として活動していました。この明田家の末裔にあたる方が、明智光秀の子孫として著作を発表なさっている明智憲三郎氏です。

 また、あの坂本龍馬の実家である土佐藩の坂本家も桔梗紋を使っており、明智家の血を引くと主張していました。ただ、これについては龍馬の先祖が江戸時代に家紋を変更し、その時に、明智家を思わせる桔梗紋を取り込んだ「組あい角に桔梗紋」が使われるようになった経緯が明らかで、ずいぶんと疑わしい話になっているのでした。

 江戸時代中期以降、『明智軍記』など明智に好意的な歴史物語が多く書かれました。坂本家の当主にも明智ファンがおり、彼が系図屋に頼みこんで、自分の家の系図を明智家の系図にくっつけてもらったようです。ちなみに坂本龍馬自身は、自分を平安時代の名歌人・紀貫之らを輩出した紀氏の子孫だとみなしていたようですが……。

 さてさて余談が過ぎました。次週は最終回を拝見した上で、一年間も私たちを楽しませてくれた『麒麟がくる』の総括を行いたいと思います。お楽しみに!

堀江宏樹(作家/歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。原案監修をつとめるマンガ『La maquilleuse(ラ・マキユーズ)~ヴェルサイユの化粧師~』が無料公開中(KADOKAWA)。ほかの著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『本当は怖い江戸徳川史』(三笠書房)など。最新刊は『隠されていた不都合な世界史』(三笠書房)。

Twitter:@horiehiroki

ほりえひろき

最終更新:2023/02/21 11:55
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