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河井案里議員問題で追い込まれる自民党…辞職をめぐる党内の策謀

飛び交うガセネタ 発端は“首相補佐官”?

 ここに来て突然、「保守王国広島で、河合案里に代わる候補を立て、1勝1敗1不戦敗に持ち込む」(与党関係者)に戦略が変更された。

 しかし、菅首相を巡る環境は極めて厳しい。日本経済新聞社とテレビ東京が1月29~31日に実施した世論調査によれば、菅内閣の支持率は43%、不支持率は50%で、9月の政権発足から4カ月強で5割に達してしまった。

 逆風は自民党とて同じで、1月31日に投開票された北九州市議選(定数57)は菅政権発足後の初の政令市議選であった。しかし、自民の公認候補22人のうち6人が落選した。同24日に投開票が行われた山形県知事選では、立憲民主党などの支援を受けた現職の吉村美栄子知事が、自民公明推薦の大内理加前県議を約40万票対約17万票の大差で打ち負かした。

 今回補選が行われる広島選挙区は、昨年9月の自民党総裁選に出馬した岸田文雄宏池会会長のお膝元だ。池田勇人元総理大臣や宮沢喜一元総理大臣を輩出した保守王国である。

 しかしながら、2人区の参院広島選挙区では、河井案里被告が出馬する19年7月の参議院選挙までは、自民党と野党候補が仲良く議席を分け合ってきた。自民は長年にわたり溝手顕正(当選5回、国家公安委員長や防災担当大臣などの要職を歴任)が議席の一つを占めてきた。そこへ自民党本部からの1億5000万円を手にした案里被告と夫の河井克行元法務大臣が選挙戦に乗り込み、散々かき回し、案里被告が勝利した。溝手が落選し、野党統一候補の森本真治が勝利した選挙結果は周知の通りだ。

 保守王国といえども、そんないわくつきの選挙区の補選で、自民党が確実に勝利できるのだろうか? 

 19年7月の参議院選挙では、野党統一候補が約33万票、案里被告が約30万票で続き、それぞれ議席を手にした。次点で落選した溝手も約27万票獲得したので自民二人の票を足せば野党候補の2倍弱の票となる。単純計算すれば、4月25日の参院広島選挙区の補選は案山子を立てても自民党候補が勝つことになる。

 だが、そうは単純に計算通りにいかないのが選挙だ。

 だから、突然とも思える案里被告の3月15日前の議員辞職に関して、さまざまなガセネタも飛んだ。その中の一つには、ら2月5日発売の「FRIDAY」(講談社)に、『枝野幸男ら立憲民主の幹部らの夜の会食シーンを撮った写真が掲載される』というものがあった。これを事前にキャッチした二階派が、自民党離党後も同派に所属し続けた案里被告の辞職を「今をおいてタイミングがない」と判断して、案里被告の肩を押したのだという。

 後日、このガセネタの発端が、官邸関係者であることが判明。国会関係者によると、首相補佐官が夜回りの記者たちに「立憲の幹部も会食しているみたい」と話したことに尾ひれがつき、いつの間にか、「FRIDAY」に野党幹部のスクープ写真が掲載されるという事にまで話が誇張されたそうだ。

 しかし、官邸の要人がわざわざリークするのだ。警察OBで、内閣情報調査室(内調)のトップ、内閣情報官を務めた杉田和博官房副長官はすでに何か情報を掴んでいるのかもしれない。野党の要人には当然、内調または委託を受けた警察OBの探偵会社の尾行がすでについているだろうし、「どこかでブーメランがさく裂する」(東京駐在地方紙記者)のは時間の問題のようだ。

 そこまで見越しての今回の河井案里議員の辞職なのか? だとすれば、杉田率いる官邸の“インテリジェンス能力”は侮れない。官邸ポリス、恐るべしだ。

会社員兼フリーランス・ジャーナリスト。政治、経済、社会ネタを気の向くままに執筆

みつけたろう

最終更新:2021/02/09 16:47
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