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「コロナ禍になって芸人の”席”はむしろ減ってる」令和ロマンが語る“令和の芸人の歩き方”

「コロナ禍になって芸人の席はむしろ減ってる」令和ロマンが語る令和の芸人の歩き方の画像1
写真/二瓶彩

 いく度目かのお笑いブームが極まっている昨今、第7世代の次の世代に期待を寄せる視聴者や業界人も多い。芸歴3年目の令和ロマン(髙比良くるま・松井ケムリ)も、お笑い界にふくそんな“追い風”を軽快に乗りこなしているように見える……がしかし、やはり葛藤も多い様子。2020年『NHK新人お笑い大賞』で優勝を掴み、本日2月13日(土)深夜には『オールナイトニッポン0』(日本放送)単発特番が控えている2人に、その意気込みと今後の展望を聞くと、静かに燻されるような野心が垣間見えた──。

「神回にならねぇかな…」今夜放送『オールナイトニッポン0』

 

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──『オールナイトニッポン0』単発特番決定おめでとうございます。三四郎さんの年越し特番(『三四郎のオールナイトニッポン 年越し初笑いSP 2020→2021』)で優勝して勝ち取ったわけですが、選ばれた理由はどう自己分析していますか?

高比良くるま(以下、くるま) 近年まれに見る消去法じゃないですかね。

松井ケムリ(以下、ケムリ) マジで消去法だと思います。

くるま 錦鯉さんとか吉住さんがいて「絶対勝てないな」と思ってたら、錦鯉さんは別の番組があって結果発表の時間にはいないし、吉住さんは『THE W』の優勝記念でもう特番やること決まってましたし。結果、青色1号さんとカカロニさんと三つ巴っていう「まぁ誰が勝ってもいいかな」って戦いになりました。

ケムリ 地下ライブみたいな並び。

──K-PROライブっぽさはありますね。

くるま それこそ年越し特番の直前に、K-PROのライブで三四郎さんと一緒に中MCをやったんですよ。そのとき本当に小宮(浩信)さんがすさまじくて。後から聞いた話なんですけど、全然関係性がない僕らとしゃべるのにあたって事前にトンツカタン森本(晋太郎)さんとかに「令和ロマンってどういう子? 怒る? 怒らない? いいやつ? 悪いやつ?」って聞いてたんですって。それでライブのとき、小宮さんが俺に向かって「僕、こいつみたいなやつにいじめられてたんだよ!」ってなんの脈絡もなく言い出したんです。そこから小宮さんが負けるストーリーにめっちゃ引きずり込まれて、マジですげぇなって思いました。

ケムリ 気づいたら小宮さんをいじめさせられてたんですよ(笑)。先輩にいじめられるのは多分簡単だけど、後輩にいじめられるってめっちゃすごいと思います。

くるま まったく思ってないこと言わされてたもんね。

ケムリ ひどい悪口が勝手に出てきた。

くるま それを小宮さんが用意してるワードでちゃんと落とすんですよ。これがテレビ芸人の力か! って。

ケムリ すごいですよ、本当に。幻術みたいでした。

くるま そう。だから年越し特番でも「天才・小宮浩信の中には絶対パターンがあるから、こっちがただ思ったことを言ってもさばいてくれる」って安心感がありました。ラジオだと相田(周二)さんがそのマジックの外側で、僕ら後輩が生意気に見えすぎないように「まぁまぁ」っていなしてくれるおかげもあって、全力でいけましたね。

──自分たちの特番はどんな番組にしたいですか?

くるま マジで、本当に……神回にしたいな……。神回にならねぇかな……。ラジオ好きな方はわかると思うんですけど、いま『オールナイトニッポン』も『オールナイトニッポンゼロ』も層の厚さがすごいですよね。レギュラーだけじゃなく、鬼越(トマホーク)さんみたいに何回か単発やってて次レギュラーになりそうだな、って待機組もいるし。よっぽどの奇跡を起こさない限り、もう一回チャンスをもらえるのが相当先になると思うんで、一撃で印象に残る回にしたいです。

ケムリ 一撃で待機組に入れるくらいのね。

くるま そうそう、そうなの! そこまでやらないと、マジで1回やって終わりだと思うんで。

ケムリ ラッキーで入ってる人、誰もいないもんな。

くるま まだ先だなと思ってたけど、なんか急に現実味帯びてきたな。(注:取材は1月下旬)

──放送を楽しみにしてます。令和ロマンさんは芸歴1年目の2018年に『M-1グランプリ』準決勝進出(GyaO!ワイルドカード枠)、昨年は『NHK新人お笑い大賞』優勝と、順調に結果を残しています。周囲やお笑いファンからの期待値もずっと高いと思いますが、そういう状況をどう受け止めていますか? 期待値=追い風、なんでしょうか。

くるま 僕らはうまいこと追い風に乗ってるほうだと思います。推されすぎないようにしながら、「追い風吹いてるらしい」ってプロップスで笑いをとってきてる感じはありますね。

ケムリ いい思いさせてもらってます。若い分にはフリが効いてるというか、最悪「若いから」で逃げられるっていうのはありますし。

くるま ネタとか特技とか、一個すでに完成してるものがあってそこで頑張ってる人たちにとっては、追い風ってただハードルが上がってウケるかどうかだけの勝負になるんですよね。それでいうと、俺らまだ何も完成してないので。

ケムリ 何が評価されてるのかもよくわかんないっていうかね。ネタっちゃネタなんだろうけど。

くるま そう、ハードルは上がってるけど結局何をやるのかはお客さんがよくわかってないからウケるんだと思う。テレビ出てる同世代や先輩に比べたら、何も定まってないから。僕らのことを一行で紹介できるものって、なんもないんですよ。これっていうスタイルもないし。みんな僕らのこと褒めづらそうですもん。褒めるときもざ~っくり褒められてる。

ケムリ 「いいネタでしたね~」って(笑)。お客さんも「令和ロマンってどういう人なんだろう」って思ってる段階がずっと続いてて、毎回「こういう人たちなんだ」って違う印象で帰っていってるのかもしれないです。

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