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激戦必至「鴨川市長選」にキナ臭い空気…候補者看板などに誹謗中傷落書き事件も

鴨川市長選挙
悪質な落書きがされた吉田候補(右)と川名県議(左)の立て看板

 森田健作知事の任期満了に伴い行われる今年4月の千葉県知事選が注目を集める中、県知事選に先立ち3月7日に投開票される同県の鴨川市長選(3月7日投開票)も、激しい選挙戦が繰り広げられて、すでに“場外乱闘”とおぼしきものも起こっている。

 「今の鴨川市政は、現市長と院政を敷いているといわれる元市長派が対立。今度の市長選挙では、現市長は出馬しないものの、自民党が推薦する吉田候補と、対立候補を支援した自民党県議の立看板に誹謗中傷の書き込みが行われる、悪質な選挙違反まで発生しているのです」(鴨川市在住のフリーライター)

 今回の鴨川市長選は、前県道路公社理事長で自民党推薦の新人・吉田行伸氏と、元市長の本多利夫氏らが担ぎ出した前市長・長谷川孝夫氏の事実上の一騎打ちになっているが、今年1月中旬、吉田候補と、川名康介・自民党県議の立看板に誹謗中傷の書き込みが発見されたのだ。

 「立看板は、川名県議の事務所の周辺に設置されたもので、川名県議ほか、浜田靖一衆院議員や参議院議員ら5名の立看板がありましたが、そのうち、2人の看板に落書きがされていたんです。吉田候補には“大バカ者”、川名県議には“死ね”という悪質なもの。川名県議が被害届を出したため、捜査は警察に委ねられましたが、犯人の特定には難航しているうえ、当初、被害届の提出を川名県議が渋ったことで、市民の間からは憶測や噂が飛び交いました」(市政関係者)

 「誰がどのような目的でこのような悪質な行為を行ったかはわかりません。吉田候補へも反発を持っていた者の仕業なのか。さらに、日和見的な対応をしてきた川名県議へ不満を持つ者がいたのか」(前出のフリーライター)

 川名県議の日和見的な対応とはどういうことなのか? 本サイトは、市の関係者から、この事件に関係すると思われるメモを入手した。それによると、12月27日、館山文化ホールで自民党推薦の県知事候補・関政幸氏と、鴨川市長候補・吉田氏の激励会が開催された際、川名県議が両候補の応援演説を行って、会の締めを飾ったとある。

 「すでに吉田候補は自民党から推薦を受けていましたから、川名県議は当然、吉田候補を応援すると思うでしょう。ところが、その後、自民党鴨川支部が、川名事務所に吉田候補の看板設置を依頼をしたところ、“少し考えさせてくれ”と言われたそうです。結局、了承され、看板は設置されましたが、その後、衆院議員や参議院議員含め5名の看板が設置され、その中には、長谷川候補の看板もあったんです。川名県議は“偏った応援はしない“と話したそうですが、額面通りには受け取れません」(全国紙記者)

 その後、吉田候補と川名県議の看板に落書きが発見されたのだが、その前後には、長谷川候補の広報誌『とどけ民意の会』1月号に「川名県議が長谷川候補の支援を表明」として、写真と共に川名県議の応援メッセージが掲載され、同時に長谷川候補のYou Tubeでも配信されている。

「川名県議は、対立候補を応援したのですから、当然、自民党からはなんからの処分がされるべきです。しかし、鴨川支部は、離党勧告を出すことを考えているとしながらも、いまだに実行されていません」(市の自民党員)と、自民党内部からも不協和音が聞こえてくる。

 市の院政を敷くといわれる元市長・本多氏が担ぎ出した長谷川候補は、2017年の前回の市長選では、現職として出馬。日本屈指の私立総合医療施設「亀田総合病院」やホテル三日月グループなど、地元財界トップを後援につけたことで絶対有利と目されたが、新人で現市長の亀田郁夫氏に僅差で敗れた。

「選挙前年の6月、長谷川氏は立候補を表明した後の地元の納涼まつりで、会場の入り口に選挙運動とも受け取れるポスターを貼り、“選挙違反に当たるのではないか”と批判を受けた。さらに、“元市長の本多氏が、長谷川氏を推して院政を敷こうとしている”と噂された。それに対して亀田氏は、鴨川市政を見直す“リセット鴨川”を打ち出し、その合言葉が市民の心を動かしました」(市政関係者)

 今回の市長選では、“千葉県のドン”と呼ばれた“ハマコー”こと故・浜田幸一さんの長男・浜田靖一衆院議員をはじめ、千葉県自民党の有力者のほか、前選挙では長谷川候補を応援した亀田総合病院やホテル三日月グループも吉田候補の支援に回っている。

 一方、長谷川候補は、令和4年に安房キャンパスから東金キャンパスへの移転が決定している城西国際大学観光学部に対し、大学側に移転中止を働きかけるとして、市民にアピールしている。

「城西大のキャンパスは、当時市長だった本多氏が“学生が集まれば、7億円の経済効果がある”として、無償で土地を提供したものの、失敗。本多氏が担ぎ出した長谷川氏が、大学側に移転を再考させるといっても、すでに決まったことで、本当に説得できるのか疑問符が付きます」(前出のフリーライター)

 コロナ禍での鴨川市長選の行方に注目したい。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2021/02/23 08:00
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