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新型コロナで陰謀論が急拡大!「バカが騙される」は間違っている…誰もが感染する陰謀論への対処法

陰謀論を見抜ける人は2割だけ

──そもそも、なぜ陰謀論は広まってしまうのでしょうか?

山口:いくつもの複合的な要因が重なっています。そもそも、人間は、情報の検証が下手なんです。私が2019年に行った研究では、実に75%の人がフェイクニュースを見抜けないという結果も出ている。政治的なフェイクニュースに限れば、80%もの人々が騙されていました。

──8割もの人々が騙される……。

山口:陰謀論などのフェイクニュースに騙されるのは「特殊な人」という認識が根強いかもしれませんが、世の中の大多数の人が騙されるものです。特に騙されやすいのが自己評価が高い人。「自分は大丈夫」と思っているほど、騙されやすくなっています。また、マスメディアに対して不信感を抱いている人ほど、フェイクニュースを信じてしまう傾向にありましたね。

また、先ほどの研究では、フェイクニュースに騙されやすい人の傾向も分析しています。ここでは、メディア・リテラシー、ニュースリテラシー、ITリテラシーなどを比較して、どのリテラシーの欠如がいちばんフェイクニュースを受け入れる要因につながるかを調査したところ、最も大きな要因となっていたのが「情報リテラシーの低さ」でした。

情報リテラシーとは、文章を読んで筆者の意見を適切に把握する能力や、文章からその趣旨を掴む能力。一般的に読解力や国語力と言われます。この能力が低い人ほど、フェイクニュースに引っかかりやすかったんです。

──山口先生の近刊『正義を振りかざす「極端な人」の正体』では、調査によって、炎上に参加する人の特徴が「年収が高い」「主任・係長クラス」であると明らかにされています。世間の予想を覆す結果ですが、陰謀論に騙されるのも、収入や社会的地位の高い人々なのでしょうか?

山口:現在わかっている範囲では、フェイクニュースを大量に拡散する人には、むしろ大卒の人が多いんです。学歴が高く、知的レベルが高い人でも、国語力や読解力があるとは限らない。今後、詳細な調査を予定していますが、少なくとも、陰謀論に引っかかるのは年収の低い人や社会的地位の低い人だけというわけではなく、「普通の人」であることは間違いありません。

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