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『フリースタイルティーチャー』試合に負けて勝負に勝った!? 末吉9太郎に大化けの可能性

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

【完成】『フリースタイルティーチャー』試合に負けて勝負に勝った!? 末吉9太郎に大化けの可能性の画像1
末吉9太郎Twitter(@9taro_cubers)より

 3月10日放送『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)から「男性アイドルラッパー育成SP」のMCバトル総当たり戦がスタートした。事前に行われた各ペアのインタビューの背景から察するに、今回バトル会場に選ばれたのは恐らく神田明神だろう。

勝負は負けたがアイドルとしては9太郎の勝利?

 第1試合は、水野勝(BOYS AND MEN) & 晋平太 VS 末吉9太郎(CUBERS) & SAMの一戦。「バトルは喧嘩。喧嘩するなら負けたくない」と公言する水野と「相手をディスりたくない」がポリシーの9太郎、両者は正反対のタイプである。

 バトルが始まると、宣言通り水野は喧嘩腰だった。加えて、レペゼン名古屋の要素を前面に押し出していくのも水野流だ。

「地元で貰った 義理人情 強さをくれたぜ Ding Ding Dong」
「お前9太郎 俺が好きなのは GANXTA CUEだよ」

「Ding Ding Dong」とは名古屋出身の人気ラッパー・AK-69の出世曲『Ding Ding Dong~心の鐘~』のことだし、G.CUE(GANXTA CUE)は名古屋を拠点とするラッパーだ。水野の背中からシャチホコが透けて見える。

 こんな風に、バイブスというよりオラつきで凄みカマしに行く水野をサラッとかわそうとするのが9太郎だ。あくまで、彼は自分のペースは崩さない。

「てか金髪と金色が被ってるんですけど でも僕の方が今日もかわちいもん」
「てかバトル始まる前に 僕が喋る度に皆が笑うの何なの
 何で僕が喋ると笑うの 泣いたー」
「てか水野さん さっきすれ違った時 めちゃめちゃ良い匂いしましたよ」
「てかこんな事言って 僕の『それな』大好きなくせに
 会うといつも真似して『それな』って 言ってくれるじゃないですか ツン」

 多用する「てか」を挟むことでリズムを掴んでいる? そんな9太郎の良いところはオリジナリティだ。正直、水野のフリースタイルからは用意してきたものを相手へぶつけようとする台本感が強く伝わってきた。トップオブザヘッドではないので自然と湧き出た言葉に聴こえず、9太郎を意図的に貶そうとする乱暴なディスに感じなくもなかったのだ。そういう意味で自身の世界観を壊さず、アイドルならではのバイブスを見せつけた9太郎のフリースタイルが筆者には面白く感じられた。ラップにらしさが出ていたのだ。
結果的に、このバトルは水野が勝利した。しかし、アイドルとしての個性は9太郎のほうがアピールできていたと思う。総当たり戦は始まったばかり。未知数な部分が多い9太郎から最も大化けの可能性を感じるのだ。

 第2試合は、岡野海斗(Boom Trigger) & KEN THE 390 VS 横山統威(祭nine.) & TKda黒ぶちの一戦。最年少20歳の2人による同い年対決だ。彼らはレッスン時から他のアイドルに比べスキルが抜きん出ていた。この一戦で勝ったほうが優勝を果たすか? Round1で先攻を取ったのは横山だった。

「俺ら同い年で最年少 ハイテンションで盛り上げてこう
 俺らが時代を作る最先端 俺らが先頭に立つんだよ
 でも夢がなきゃ上がれねぇ
俺はトータルプロデュースでドームツアーがしたい
そういう夢がある お前同い年で夢持ってるか?
今ここで聞かせてくれ」

 非常に良いオープニングだと思う。脈略のないディスで攻めるよりよっぽど意味がある。対する岡野は確かにラップが上手い。スキルでは横山を完全に上回っている。でも、横山の問いかけにアンサーを返せずじまいだったのだ。

岡野 「夢や希望 お前の熱さは伝わってくるよ
    けどお前最年少 テンションが低いぞ
    お前どうした その調子」
横山 「で お前 夢 結局何なの 俺は夢を聞いてるのに
    何? 背負ってるもの? 
    あんなら1つや2つ3つ夢出てくんじゃねぇの
    お前 結局何 ラップのスキルに逃げて 夢は何もねぇ
    そんなんじゃ夢は叶えねぇ あ 叶える夢もねぇか」

 誰が聴いても岡野のラップはカッコいい。でも、内容の濃さで横山が圧倒している。熱い激情で自分の思いをぶつけるTKティーチャーのラップスタイルと横山の相性が良かったのもあるだろう。強くはっきりした言葉で放つ横山の主張に、聞いている側は惹かれてしまうのだ。とは言え、岡野も見せ場を残しているのだが。例えば、以下。

「だけど全然ないんじゃない 祭nine.アドレナリン足りないんじゃね」
「横山統威 どんなその通り 俺の上はとうに見えてるぜ
 お前は優勝は全然遠いから 諦めなよ」

 押韻しまくりだ。「祭nine.」「ないんじゃない」「アドレナリン」「足りないんじゃね」とainで、「横山統威」「その通り」「とうに」「遠い」とouiで踏んでいる。センスだ。韻を踏んだ回数にフォーカスすると岡野の圧勝である。リズムアプローチも岡野に分がある。でも、最初に横山が夢の話を突きつけ、それにアンサーしなかった時点で岡野は相手から逃げたような印象をギャラリーに与えてしまった。横山の放つ「ラップのスキルに逃げて 夢は何もねぇ」というディスは痛烈である。

 解せないところもある。8日放送の最終レッスンで、岡野は以下のようなフリースタイルを披露しているのだ。

「このビートは真っ向勝負 俺が目指してる高みは東京ドーム
 いつか立ってメンバー Boom Triggerで引き金を撃つぜ
 やっとブームが巻き起こるって訳だぜ」
 
 熱い。グループを背負い、大きな夢をラップに乗せているじゃないか。なぜ、これが横山とのバトルで出なかったのか。先に東京ドームというワードを出され、それを上回る夢を探しているうちに具体的な目標が言えずじまいになったか? やはり、フリースタイルバトルは具体性が大事だ。プランニングやトータルプロデュースなど、夢を見据えて具体的な展望を提示した横山がこのバトルは勝利した。

 事実上の決勝戦と予想していたが、思いのほか一方的だった最年少対決。ただ、第1試合の水野と同様に横山のフリースタイルからも“用意してきた感”が強く伝わってきた。もう1つの懸念材料は、横山は仕込んできたネタを出し尽くしていないか? という点だ。残り3戦も夢のことばかり言っていられないだろうし、弾切れになっていないことを願う。期待半分、不安半分で残りのバトルも見守っていきたい。

 総当たり戦初回を見て思ったのは、水野 VS 横山のバトルこそ要注目だということ。この一戦が天王山になるだろう。2人は同じ事務所(フォーチュンエンターテイメント)の先輩後輩の間柄だ。

 苦言を呈すとしたら、9太郎以外のアイドルから際立った個性を見出せず、他の4人は似たようなタイプに見えてしまう点である。そういう意味で、前シーズンの「女性アイドルラッパー育成編」はバッチリだった。

 

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/03/16 18:00

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