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『青天を衝け』ついに篤姫が登場! 史実の天璋院は“グラマラスすぎて”徳川家定のタイプではなかった?

武家社会では「外見で女性を判断のは愚の骨頂」

『青天を衝け』ついに篤姫が登場! 史実の天璋院はグラマラスすぎて徳川慶喜のタイプではなかった?の画像2
天璋院(篤姫/尚古集成館所蔵品)

 家定本人の意思というより、周囲が「病弱な公家の娘にはコリゴリ」だったのでしょう。そして、鷹司任子とはかなり見た目もキャラもちがう、タテにもヨコにも大きく元気で、性格の強い篤姫が最終的に選ばれ、家定に押し付けられたのだと思われます。繰り返しますが、篤姫がそういう器の大きな女性だったからこそ、幕府の瓦解という最悪の時期をも徳川家は乗り越えていけたのですが……。

 また、武家社会には「外見で女性を判断するなど、愚の骨頂」という儒教的な倫理がありましたけれど、好みって本能的なものですからね……。家定には少々同情してしまいます。

 将軍ともなると、よほど本人が強くないかぎり、プライバシーや個人の意思の尊重も二の次にされ、周囲の思うがままに振り回されてしまいがちでした。草彅剛さん演じる徳川慶喜が「将軍になど、絶対なりたくない」と言い捨てるような状況が、当時の江戸城内には本当にあったわけですね。

堀江宏樹(作家/歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。原案監修をつとめるマンガ『La maquilleuse(ラ・マキユーズ)~ヴェルサイユの化粧師~』が無料公開中(KADOKAWA)。ほかの著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『本当は怖い江戸徳川史』(三笠書房)など。最新刊は『隠されていた不都合な世界史』(三笠書房)。

Twitter:@horiehiroki

ほりえひろき

最終更新:2023/02/21 11:50
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