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新型コロナ、ワクチン接種は「五輪開催か中止か」の試金石 菅政権が窮地の可能性も

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写真/GettyImagesより

 東京五輪とパラリンピックに出場する日本代表の選手について、一部で新型コロナウイルス対策のワクチン優先接種が報じられた。だが9日、丸川珠代五輪担当大臣は「全く検討していない。これから先も具体的な検討を行う予定はない」と見解を示した。

 また、五輪組織委の橋本聖子会長も同日、日本代表選手のワクチン接種がなくても「安心安全な大会の方針は変わっていない」とした。一方で、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が各国の五輪委員会に対して可能な限り多くの大会関係者のワクチン接種をするよう呼び掛けていることに関して、橋本会長は「考えを注視しないといけない」と話した。

 日本政府は12日より高齢者向けのワクチン接種、9万7500回分を全国に配布する。接種の本格化は5月に入ってからになると見られているが、医療従事者からは「年寄りを守りたいのか、五輪開催を優先させたいのか。全くわからない」と憤りを隠さない。12日からは東京都23区と武蔵野、府中など一部エリアと京都、沖縄の一部エリアで政府が「まん延防止等重点措置」が適用される。

「いまだに新規感染者は日々増えており、入院を受け入れている中規模以上の病院の医療体制は相当ひっ迫しているのが現状です。ところが、東京も大阪もテレビなどの報道を見る限り、昨年春の緊急事態宣言発出時と比べて、人出が激減していない。感染力が高い変異株も入っている中で、感染状況が改善されることはまずないだろう」(同)

 五輪関係者は今の状況を見る限り、「政府官邸サイドは何としても東京五輪強行開催の姿勢を崩していない。ところが各国の五輪委員会(NOC)から日本のワクチン接種状況について苦情が懸念の声が出始めると、最終的には選手派遣見送りにもつながる。対応を誤れば五輪中止を引き起こしかねない」と懸念している。

 一方で、IOCやNOCの意向を政府が汲んで五輪関係者にワクチン接種を優先させると「間違いなく批判の声は殺到する。どちらに舵を切っても菅政権は窮地に追い込まれる。その中で転んで立ち上がった時に五輪実現のメンツを保ちたいのか、国民の声に押されてそちらを優先させるのか。真意がわかる」と見ている。

 ワクチン接種1つとっても五輪開催の風向きが分かるのは何とも皮肉な現象だろう。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2021/04/14 06:00
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