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菅義偉総理の身内がついに「五輪中止」の口火を…その責任は誰にある?

文=黒崎さとし(くろさき・さとし)

菅義偉総理の身内がついに「五輪中止」の口火を…その責任は誰にある?の画像1
写真/GettyImagesより

 菅政権にコロナ禍の助言する身内がついに口火を切った――。

 新型コロナウイルス感染症対策分科会長の尾身茂氏が28日、開催まで3カ月を切った東京五輪・パラリンピックについて「議論をしっかるやるべき時期にきている」と触れたのだ。

 これまで政府官邸、五輪組織委員会、東京都ら主催サイドにはコロナの感染拡大が進むにつれ、五輪を再考する声が高まっていたが、IOC(国際オリンピック委員会)との契約問題上、中止にした場合の巨額の費用負担を恐れて誰も触れることはなく曖昧な回答に終始していた。すると、かねて業を煮やしてた医療専門家の尾身氏が関係者に対して「感染レベルや医療逼迫状況を踏まえて議論をしっかりやるべき時期に来ている」と衆議院厚生労働委員会の場で話した。

 また尾身氏は世界的に感染が再び拡大している状況で「リスクは当然ある」とした上でさまざまな状況を考慮して疑心暗鬼になり不安を抱いているっ国民への説明責任を果たすべきと主張。個人的に過去2、3回政府から意見を求められたが分科会では議題に挙がっていない事にも触れた。

 同日に開かれた東京都のコロナモニタリング会議では、感染力の強い変異株の「N501Y」がおよそ6割に達していることが報告され、新規感染者は925人を数えた。大阪でも過去最多1260人となり収まるどころの話ではない。五輪関係者は「誰もパンドラの箱を開けたがっていなかったが良識ある尾身さんが我慢ならずに先陣を切りましたね。これで議論が多少はしやすくなる」と話す。

「先日も小池都知事と丸川五輪担当大臣が責任の擦り付けあいを展開しており、聞いているこちらも腹が立つほどだった。さらに連携も取れていないことが露呈。費用負担問題は重くのしかかるが、官邸がこの場に及んで五輪開催にこだわりを持っていること自体、ナンセンスな話。今後、医療関係者から五輪中止を求める声が上がり、世論が大きく動く可能性がある」(同)

 状況を見かねた上での発言だったとはいえ、身内の発言は大きい。応えるように日本医師会の中川会長も東京都の緊急事態宣言解除の目安について「1日あたり100人以下」と具体的な数字を挙げ、五輪組織委が看護師500人を五輪期間中に求め世論からひんしゅくを買っていることに「わたしも同感」と話した。

 五輪中止包囲網は思わぬ形で形成させつつある。

黒崎さとし(くろさき・さとし)

黒崎さとし(くろさき・さとし)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2021/05/04 06:00

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