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マツコ“親分”がギャル雑誌の世界へ導かれた―。 「停滞する日本を救うのは、ギャル」と感激

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TBS『マツコの知らない世界』ツイッターより

 素顔をかき消す濃い化粧に、服の布面積を極力控えた露出、ラッツアンドスターを彷彿させる日焼けの軍団、そんなステレオタイプなギャルのイメージは、時代と共に変容を遂げている。

 みちょぱ や ゆきぽよ なども人気だが、全盛期を知る世代からすると2021年現在では、ギャルのタイプの線引きが難しいところ。

 14年には、伝説のギャル雑誌「egg」(大洋図書)などの休刊が相次ぎ、メイドインジャパンの“トライブ”は消滅が危惧されていた。

『マツコの知らない世界』(TBS系)は、毎回その分野に特化した一般人や著名人からマツコ・デラックスがレクチャーを受ける番組だが、5月11日放送回では、19年にウェブで復活した「egg」の編集長を招き、視聴者と共に「ギャル雑誌の世界」について知見を深堀した。

「ギャルと言えば、eggですよね。ヤマンバメイクや日焼けサロンで肌を黒くするハウツー、彼氏との赤裸々すぎる話なんかも載っていたし、もちろん109のカリスマ店員が登場するなどファッション誌の側面もあるもあった。一方で、モデルの個性を最大限に活かすカルチャー誌としても面白く、若者のバイブルといった感じでした。渡辺直美さんは、過去の『egg』を買い揃えていて今も家に飾っていますし、根強いファンは多いです。ただ汚ギャルなどの風呂に入らず、地べたに平気で座ったりするマナーのないイメージや、定職に就かずクラブやレイブで遊び倒し、それに伴った非行や薬物などの影がつき、流行が下火になった時代があったのは否めません」(ファッション誌ライター)

 24歳のハイテンションギャル編集長・赤萩瞳氏がスタジオに登場すると「うわぁぁ、いやぁぁ、あっはは」と圧倒されているマツコ。そもそものギャルの概念を問うと「そこはマインドの問題。マツコさんのこともギャルの先輩と思っています」と仰いだ。

 これには「オレ、ギャルだったのか」とマツコは呆然としていたが、赤萩氏いわく「ファッションやメイク、好きなことをして、いいたいことを言っているマインド」が的を射ているのだという。

 これに納得したのか「確実にギャルは増えているわよね。自分の意志を持っている女性は増えているから」とマツコは考察した。

 そして、ギャル雑誌はみんなの“道徳本”だと、赤萩氏は掲げる。

 まず「今流行りのナチュラルメイクは、もともとが可愛くないといけないけど、どう頑張っても可愛くなりきれない子たちの受け皿がギャル雑誌」と説明すると、スタジオの男性スタッフ陣の同調する声が漏れ「本当、そう思う」とマツコも理解を示した。

 また、「ファッションに意味なんか、いらない。好きなものは好き」とファッション誌の概念をぶち壊すような話を赤萩氏が続けると「今日ね、結構ね、すごい言葉が出ているのよ。最近私のテーマなの。全てのことに意味なんてないのよ。ずっと好きなことを貫いてやっていると、それが意味になるのよ」と、マツコは無意識にギャルの境地。

 令和ギャル代表・きぃりぷ がスタジオに登場した際には、自己紹介でギャル雑誌から学んだ教訓を「見えない圧力で周りに流されない」と胸を張った。かと思えば、尊敬する人はマツコで「ギャルの親分」と慕う謙虚さも持ち合わせている。

 今ドキの流行りやマインドを学びながらマツコは「ギャルの定義がこんなに広くなっていることを考えて、この停滞した日本を救うのはギャルかもしれないわね。気持ちの問題だけでなく、経済の観点から言っても」と2周り以上も年が離れた後輩世代に改めて感心し、期待を寄せた。

「刺激になるわー。私、気持ちだけはギャルのつもりでいたから、先輩って呼ばれて嬉しかった」と最後に吐露するマツコ。「ギャルに年齢は関係ない」とギャルは、親分と視聴者を鼓舞した。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2021/05/13 18:00
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