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菅義偉首相の本音「五輪を中止したい」…強行開催の感染爆発で秋の衆院選“自民党の大敗”

英国在住ジャーナリストの「ワクチン接種体験記」で報じられた不快感

 先週のニューズウイーク日本版で接種体験記を書いていた英国在住のジャーナリスト、コリン・ジョイスは、1回目はアストラゼネカ製だったが、コロナ腕にかかり、痛みはそれほどではなかったが、「不快感は6週間続いた」そうだ。

 イギリスでは5月26日時点で、成人の72.9%が1回目の接種を終え、44.8%が2回目の接種を完了、重症化しやすいという70歳以上の市民はほぼ全員接種を終えたという。

 こうした大量接種を可能にした要因の一つは、1回目と2回目の接種の間隔を最大12週間開けるという政府の決定だったという。「少数の人を完璧に保護するより、できるだけ多くの人に一定の予防効果を提供することを優先した」からだという。

 尾身茂感染症対策分科会会長の参院厚生労働委員会での発言が注目を集めている。尾身会長は「本来は、パンデミック(世界的大流行)の所で(五輪を)やるのは普通ではない。やろうとするのなら、強い覚悟でやってもらう必要がある」と述べたのである。

 覚悟も対策もない菅首相への痛烈な批判である。剣道四段のサムライが意を決して突き付けた、この国への檄だと私は思った。

 メディアでは、菅や西村には伝わってもIOCに伝わらない苛立ちからの発言などと的外れな論調もあるが、尾身のこれまでの発言を見れば、国民の命と安全を蔑ろにして五輪を強行しようとする菅への苛立ちであることは間違いない。

 今週のニューズウイーク日本版で、西村カリン・フランスリベラシオン紙東京特派員が「パンデミックに猛進するニッポン」をレポートしている。

「五輪本番が近づいた今、復興五輪とはあまり言われなくなった。代わりにキャッチフレーズになったのは『安心・安全な大会』。ただ、その安全を保証するのは無理がある。
『今回のオリンピックはやらないほうがいいと思うので、協力しない。少なくとも僕の周りの人たちは、なぜオリンピックをやるのかという疑問を持っている人がほとんどだ』と、横須賀にある民間病院の病院長は言う。『東京に来ないでくださいとまで言っているのに、なんで世界から人を集めるの? もうちょっと一貫した議論をやって欲しかった』

 東京五倫の是非についての議論が全くないことは、海外から見れば大変な驚きだ。

 本誌のインタビューに応じた山口香JOC(日本オリンピック委員会)理事はこう分析する。

『政府や五輪組織委、JOCからはこれまで一度も、もしかしたらできないかもしれないという話が出たことはない。それはパリ行きの飛行機が一旦飛んだら、パリに着陸することだけを考えろというようなもので、途中で何かあっても、違うところに降りたり、引き返したりすることはできないというマインドでいる。だから国民は不安なんですよ』

 筆者が東京都や福島、大阪、長野、群馬の各県で数十人の一般人を取材したところ、東京五輪をやってもいいと答える人は一割以下だった。

『いろいろな心配があるからやめたほうがいい、無理』と高齢者は強調し、若者も『普通にレストランにも行けないのに、なぜオリンピックだけOKなのか』といった意見がほとんどだ」

 政府や組織委がいっていることも疑問だらけだとしている。

「政府や組織委員会が国民を安心させるために言っていることは、現実と大きく異なる可能性が高い。例えば、『外国からの報道人は一般人と接触しない』という点はどうか。

 五輪を取材する日本在住の記者は、来日したばかりの外国人記者とメディアセンターで接触する。その後に公共交通機関で帰宅したり、買い物をしたり、保育園に子どもを迎えに行く。つまり、一般人と外国報道人は間接的に接触することになる。

『プレイブック』と呼ばれる感染防止策の手引書も、実効性が問われる項目が少なくない。例えば報道関係者の間の密を避けることは、現実的には難しい。

 6月1日にオーストラリアの女子ソフトボール選手団が群馬県太田市に到着した際には、狭い場所に数十人のカメラマンや記者が集まった。筆者も現場にいたが、1人当たり70センチ四方程度のスペースしかなかった。だが記者は文句を言わないし、いえない。いえば自分の仕事ができなくなるからだ。

 来日する予定の8000人の海外報道陣は試合だけではなく、幅広いテーマについて取材するのが目的だ。『それは禁止だ、行動を監視する』と政府が強調しても、既に一部の海外記者は監視されないように戦略を考えている。例えば、記者はスマートフォンで自分の位置情報を政府に報告することが求められるが、それはあくまでスマホの位置情報だ。日本にスマホを2台持ってくれば大丈夫だと考えている記者もいる」

 西村は、もはや菅首相も組織委も、五輪開催は宗教的なものだと見ている。

「橋本はこのような困難な時代だからこそ大会を開催し、分断された世界で記す絆の再生に貢献し、スポーツの力で社会を1つにすることが五倫の価値であると確信している。安心してお越しください。アスリートの皆さんの健康は組織委員会が必ず守り抜きますとまで述べた。東京五倫は科学より、宗教的信念に近い言葉に支配されつつある」

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