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『関ジャム』ボカロP特集なのに再認識する人間の声の素晴らしさ。「うっせぇわ」大ヒットはAdoの表現力ありきだった?

ボカロPたちから透けて見えるオマージュ元

 古田が書いた歌詞に3人のボカロPが曲をつけるという特別企画が番組の最後で行われた。古田が考案したのはこんな歌詞である。

「大好きだ 愛してる 君がいない部屋なんて考えられない AH 耳かき綿棒
 普通の綿棒じゃ駄目なんだ 耳かき綿棒 いきなり銭湯
 どっちも気持ちいい」

 まずは、「綿棒 feat.初音ミク」と題してsyudouが曲をつけてくれた。制作に2~3時間要したという同曲を実際に聴いてみると、これがまた「うっせぇわ」にかなり似ているのだ。

「自分へのセルフオマージュが込められてて、『うっせぇわ』とかが忍ばされているので、是非そこを聴いていただければなと思います」(syudou)

 もっと言ってしまうと、新たなアイデアは迂闊に公開できないということでは? 人間の引き出しの数はどうしたって限られる。だから、仕方なかったのかもしれない。

 くじらは「銭湯行きたいなあ feat.flower」と題して曲を制作。3~4時間かけて作ったとのことで、その質感はかなりYOASOBIに近かった。最後に、須田は「コットン feat.flower」と題した曲を制作。正直、3つの中でこの曲が格段に出来が良かった。どこか、質感はゲスの極み乙女。に近かったか?

 いずれにせよ、3曲それぞれに作り手の色が出ていて面白い企画だった。ただ、気になったのはどの曲もオマージュ元が透けて見えてしまうという点。彼らの引き出しのストックが心配になってくるのだ。

あと、「人声には人声の、ボカロ声にはボカロ声の良さがある」という印象にならなかったのも残念だった。2週にわたってボカロP特集を見たはずなのに、なんだかんだ、筆者は今も人間によるヴォーカルのほうに圧倒的に軍配を上げてしまう。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2021/07/11 22:00
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