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フィギュア&プラモに賭けた2市の現場担当者が語る「背水の陣」【静岡県静岡市編】

タミヤ、アオシマ、ハセガワが公立小学校にも乗り出した「静岡市プラモデル化計画」!プラモの衰退が、技術者の劣化を招くと危機感も

行政の公共性+ホビー文化= 生活の楽しさ底上げ

 ここまで2回にわたって、ホビー文化での地方創生について覗いてきた。

 高知県南国市と静岡県静岡市。二つの自治体が、ほぼ同時に取り組みをはじめた直接の関係性はなかった。しかし少し広い目で見れば、日本ではソフビもプラモデルもユーザーが高齢化してきている。「そろそろ新しい顧客を開拓したい」というメーカーの想いが、行政との協働事業を積極的にさせているという側面もあるかもしれない。

 これらの取り組みに共通するのは、「多くの人にモノづくりに興味を持ってほしい」「未来を担う人材を育てたい」という強い想いだ。

 筆者も今回、乗用車のプラモデルづくりを体験してから、道で車を見る視点が変わった。「あのフロントガラスのフレームは衝撃に強そうだ」など、“モノづくりの眼”がインストールされたのだ。野生動物のフィギュアを使ったジオラマづくりでも、動物の身体と生息地の関連性を発見するいい機会になった。最近話題になっているカップヌードルのプラモデルも、作ってみればインスタント食品の容器構造などに目が向くようになるのだろう。

 ホビー文化は、楽しい学びにあふれたフィールドだった。行政が取り組むことの最大の利点は「公共性」だろう。まだ小さい波ではあるが、ホビーでの地方創生ラッシュが起きた暁には、老若男女を問わず“モノづくりの眼”をもつ喜びが拡散していってほしいと願う。

静岡市プラモデル化計画
http://www.shizuoka.hakuhodo.co.jp/pla-model-project

 

吉野かぁこ(ライター)

フリーライター。日本大学芸術学部写真学科卒。カラス愛好家として「カラス友の会」主宰、カラスの雑誌『CROW'S』発行人。埼玉県から瀬戸内海の島に移住後、ときどき狩猟生活。虐待経験のある「虐待サバイバー」としても、当事者たちに取材を重ねている。

Twitter:@osakequeen

【吉野かぁこのnote】

よしのかぁこ

最終更新:2021/08/09 12:05
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