9・6菅義偉首相のXデーと本番を迎える”安倍・麻生 vs 二階・菅”の暗闘劇

横浜市長選大敗で命運尽きた“負け犬ギャンブラー”首相

 永田町を我が物にしようとする安倍・麻生対二階・菅の暗闘劇は、これから本番を迎えるようだが、文春によれば、その前に菅の命運が尽きると見ている。

 それが8月22に投開票される横浜市長選だというのである。なぜなら、菅が強力に進めてきた横浜にカジノを誘致するという政策を是とする林文子現市長ではなく、閣僚を辞任して突如出馬を表明し、カジノ誘致反対を掲げる小此木八郎を支持するといい出したからである。

 菅は小此木の父親の秘書だったが、それだけが理由ではない。「ここで勝てば『選挙の顔』にもなり得ることが証明される」(事務所関係者)という一発大逆転を狙ったからだというのだ。

 そのためにはなりふり構わず、8月3日の党役員会で「小此木をお願いします」と異例の呼びかけをし、横浜市出身の元国交省官僚でゼネコンなどに大きな影響力を持つ鹿島建設の押味至一会長に、和泉洋人首席補佐官が電話を入れ、「小此木をよろしく」と頼んだと文春は報じている。菅事務所総出で選挙運動をしているようだ。

 だが、林と小此木に分裂したため横浜市連は自主投票になり、漁夫の利を得るのが立憲民主党が擁立した山中竹春候補だと見られている。

 そして、菅の最後の賭けは無様な失敗に終わった。

 私は、菅という人間は「ギャンブル依存症」だと見ている。それもツキが逃げていくのを無視して賭け続ける、老いた“負け犬”ギャンブラーである。

 コロナ感染拡大を無視して「GoToトラベル」を推し進めた。側近議員でさえ中止、延期したほうがいいと苦言を呈したのを無視して東京五輪を開催。そして今回の市長選である。

 横浜市長選がどういう結果になっても、私は、菅の命運は尽きると考えている。

 では、ポスト菅は誰か?

 文春は、菅と麻生が推すのは岸田文雄前政調会長だと見る。人は良さそうだが頼りないという決定的な弱点はあるが、2人にとって操りやすい人間だからだが、そんな岸田を首相に据えれば「悪夢」でしかなかった安倍政治の再現になる。そんなことを許していいはずはない。

 だがここへきて、菅の続投という予測がメディアで流れ出している。

 まさかと思うのだが、菅とポスト安倍を争った石破茂が、どいうわけか菅の再選を支持するといい出したらしい。

 見損なった。ここで勝負しないでいつ勝負するのだ。

 今回出なければ石破の首相の目は潰える。

 一説には、安倍も菅でいいといい出したそうである。安倍にとっては、自分がキングメーカを気取り、いいなりになる奴なら誰でもいいのだろう。節操のない男だから。

 岸田は出馬するようだが、安倍と麻生が仕組んだ猿芝居のような気がする。誰も出ないのでは、菅が再選されても重みがない。

 そこで当て馬として、一番使いやすい岸田を出馬させ、格好をつけるというのだ。

 もしそうだとしたら、自民党が崩壊するきっかけになるかもしれない。野党にとってこんな都合のいいチャンスはそうそうない。

 自民党も年寄りばかりで脳軟化症が進んできたに違いない。おごれる自民党は久しからず。そいう意味では、野党は菅に感謝し、何か贈りモノでも送ったらいいのに。(文中敬称略)

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2021/08/24 20:00
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