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ハンカチ王子・斎藤佑樹がついに引退! プロ野球関係者がマジメに語る、業界への多大な貢献度

文=石井洋男(いしい・ひろお)

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斎藤佑樹

 爽やかな少年というイメージだった彼も、気付けば33才。日本ハムの斎藤佑樹が、ついにユニフォームを脱ぐ。「ハンカチ王子」の愛称で全国民のアイドルとなった斎藤だったが、最後に勝ち星を上げたのは今から4年前。プロ生活11年間で通算15勝、防御率4.34という成績は“成功”とは言い難いが、野球界に残した貢献度は超一流選手並だ。

 斎藤が日本中を賑わせたのは2006年のこと。早稲田実業のエースとして夏の甲子園を勝ち進み続けた彼は、決勝戦で田中将大(現・楽天)を擁する駒大苫小牧と激突し、引き分け再試合の末に見事優勝した。その際に名付けられたのが「ハンカチ王子」という愛称。ピンチになった際、冷静にハンカチで汗を拭う様子が話題となり、一躍人気者になった。

「夏の甲子園では何年かごとにスターが生まれますが、2000年以降のNo.1は間違いなく斎藤佑樹でしょう。試合展開が劇的だったことも大きく影響していますが、早実と駒大苫小牧の決勝戦の瞬間最大視聴率は40%近くで、過去30年で1位。スポーツニュースだけでなく、朝夕のワイドショーでも斎藤のことが取り上げられ、写真集まで発売されました。その後も“ハンカチフィーバー”は収まることがなく、秋の国体や大学進学後の東京六大学の試合まで観客が殺到。ドラフト会議や入団会見、初登板など、ここまで騒がれた甲子園スターは、KK(清原和博&桑田真澄)、松坂大輔と、斎藤ぐらいでしょう」(フリーの野球ライター)

 しかし、プロ入り後は急速に勢いを失っていく。1年目こそ6勝を上げたものの、2年目以降は成績が振るわず、ケガの影響もあって、登板機会はどんどん減少。その間には、「青山に住みたい」「カイエン(=ポルシェ カイエン。1000万円以上する超高級車)に乗りたい」と夢を語ったことで叩かれたり、会社社長から高級車を提供されたことが問題になったりと、イメージを損なうような話題も散見された。2017年以降はほぼ戦力になっておらず、オフが来る度にクビが噂される始末。ただ、彼を追い続けた記者の1人はいう。

「プロ野球ファンには信じられないかもしれませんが、プロ野球の地上波中継が消えたいま、“一般人”は選手の名前を本当にまったく知りません。ただし、NHKが試合をフル中継する甲子園出身のスターは別格。全国民的な斎藤の知名度は、山田哲人、柳田悠岐、鈴木誠也といった超一流どころよりも間違いなく上です。プロ野球の存在感が薄まる中で、野球に興味がない層まで名前を知られている斎藤の存在は、マスコミとしても球界としても本当に貴重。これを“客寄せパンダ”といってしまえばそれまでですが、誰もがそのパンダになれていないわけで、チームがなかなか彼に見切りをつけなかったのは当然だと思います。

 そして斎藤は、取材対応やファンサービスも本当に丁寧でした。ファンに求められればいつも笑顔でサインしていましたし、良い話題がないような状況でも取材陣を無視するようなことはなかった。数年前、早実の後輩の清宮幸太郎の去就が世間を賑わせていた頃、ある記者が『清宮はプロに行くべきか、大学に進むべきか?』と、斎藤に聞きに行ったんです。当時、斎藤は2軍生活の身。普通ならそんな取材には応じませんよ。けれども斎藤は、『えー、ボクの話しを聞きに来たんじゃないの?』とは言いつつ、自らの経験を踏まえてしっかり質問に答えたんです。なかなか出来ることじゃありませんね」(週刊誌運動担当記者)

 彼の引退試合は10月19日に決定。ファンがハンカチを用意することになりそうだ。

石井洋男(いしい・ひろお)

石井洋男(いしい・ひろお)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2021/10/17 08:00

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