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『マリグナント 狂暴な悪夢』が「ホラー映画史上もっとも面白い」と断言できる理由

親友のリー・ワネル監督の「らしさ」も?

『マリグナント 狂暴な悪夢』が「ホラー映画史上もっとも面白い」と断言できる理由の画像3
C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

 ジェームズ・ワン監督とよくタッグを組む作家に、その大学時代からの親友で俳優としても活躍するリー・ワネルがいる。彼が監督・脚本を手がけた映画もまた高い評価を受けており、本作『マリグナント』と似た魅力があったので、簡単に紹介しておこう。

 『アップグレード』(2018)は、妻を失い四肢麻痺になった男が、極秘AIチップを埋め込まれ復讐殺人マシーンになるという内容だ。それだけならB級っぽさを感じる題材だが、95分の間にSF・アクション・ドラマ・グロありショッキング描写など、この手の映画に求められることがギュッと詰まっているのでとにかく面白い。

 『透明人間』(2020)は、ホラーでは古典と言える透明人間を、主人公ではなく恐怖の対象として、それも夫からDVを受けている女性の視点から描いたことが画期的な作品だった。襲撃シーンを大胆なカメラワークで「魅せて」くれるので、単純にハラハラできるサスペンスとしても完成度が高い。『マリグナント』とはDV夫のおぞましさやあさましさが描かれていることも共通している。

 今回の『マリグナント』ではリー・ワネルは関わっていないが、圧倒的なエンタメ性やサスペンスでハラハラさせる工夫の数々は、かなりジェームズ・ワン監督の作家性に似ており、だからこそ彼らは『ソウ』などで相性の良さを最大限に発揮できたのだと再認識できた。

 実はそれ以外にも、『アップグレード』および『透明人間』と、『マリグナント』には共通点があるのだが、それもまたネタバレになるので書けないのが苦しい。とにかく、それだけのネタバレ厳禁の面白い要素がある、ということは改めて断言しておこう。ぜひ、劇場で楽しんでほしい。

『マリグナント 狂暴な悪夢』が「ホラー映画史上もっとも面白い」と断言できる理由の画像4

『マリグナント 狂暴な悪夢』
11月12日(金)日本公開
公式HP:malignant.jp
出演:アナベル・ウォーリス(『アナベル 死霊人形の誕生』『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』)
製作/監督/原案:ジェームズ・ワン『ソウ』シリーズ、『死霊館』シリーズ、『ワイルド・スピード SKY MISSION』監督、『アクアマン』監督)
原題:MALIGNANT
レイティング:R18+
配給:ワーナー・ブラザース映画
C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

ヒナタカ(映画ライター)

「ねとらぼ」「cinemas PLUS」「女子SPA!」「All About」などで執筆中の雑食系映画ライター。オールタイムベスト映画は『アイの歌声を聴かせて』。

Twitter:@HinatakaJeF

ひなたか

最終更新:2021/11/13 13:00
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