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将棋界に世代交代の風 藤井聡太が絶好調の裏で羽生善治に迫る“危機”

将棋界に世代交代の風 藤井聡太が絶好調の裏で羽生善治に迫る危機 の画像1
藤井聡太(Getty Images)

 スポーツ・芸能の世界でも政財界でも、世代交代は常に非情なもの。藤井聡太ブームに沸く将棋界でも、苛烈な世代交代の風が吹いている。

 かつて前人未到の7冠を達成し、棋士として初の国民栄誉賞受賞者となった羽生善治が、今季は絶不調。トップ棋士の証である「A級」から陥落の危機に陥っているのだ。

 羽生以来、長らくテレビなどで話題になることがなかった将棋界。それを救ったのが藤井聡太だ。2016年に史上最年少(14才2カ月)でプロ入りした藤井は、デビューからいきなり29連勝して最多連勝記録を更新。一躍、国民的スターとなった後も勝ちまくって最年少記録を次々と更新し、すでに将棋界全8タイトルのうち4つを保持している。ここで将棋界のレジェンド羽生と藤井とのタイトル戦が実現すれば、大いに盛り上がるのは必至だが、30年以上トップランナーとして走り続けてきた羽生も51才。ここにきて衰えが顕著になってきた。

「将棋界には8つのタイトルがありますが、最も歴史が古く、ファンの関心も高いのが名人戦。その挑戦者を決める順位戦は5つのリーグに分かれていて、その最上位がA級で、ここに在籍することが超一流の証です。羽生はA級の座を29年間守ってきましたが、今期はここまで2勝5敗と負けが先行しており、残り2戦に連勝しないと残留は厳しい状況です。

 近年は藤井の陰に隠れた感もありますが、羽生の強さはもちろん別格。将棋界では勝率が6割を超えれば強豪、6割5分を超えれば超一流ですが、羽生の通算勝率は7割と、その強さは異次元で、将棋界のMVPである最優秀棋士賞を22回も獲っています。全7冠独占をはじめ、歴代記録はほとんど羽生が持っているといっても過言ではありません。ただ、ここ数年はジリジリと勝率が下がり、今年度はプロ入り以来初の負け越しが濃厚で、力が衰えていることは否めません」(週刊誌記者)

 ファンはもちろん、将棋界としても「羽生vs藤井」のタイトル戦は実現させたいところだが、それには2人が勝ちまくるしか方法はない。羽生が衰えと戦う一方で、彼の後を継ぐ藤井は順調すぎるほど順調だ。

「羽生もプロ入り後数年は勝ちまくりましたが、藤井の勝ち方はそれ以上。プロ入りから5年も経って、いまだに通算勝率が8割を大きく上回っているのは驚異としかいいようがありません。すでにタイトルを4つ保持していて、誰もが認める将棋界の第一人者ですが、来季は順位戦でもA級昇格が濃厚で、最短では2023年に名人になる可能性もある。そうなればいよいよ“藤井時代”の到来です。

 ただし羽生は、タイトル独占、通算タイトル獲得数、同一タイトル19連覇、通算勝利数など、藤井でも抜けないのではと思われる記録をいくつも持っています。もし羽生がA級陥落を免れ、藤井がA級に昇格すれば、来期の順位戦が異常に盛り上がるのは確実。将棋ファンは祈るような気持ちで羽生のA級残留を願っている状況です」(フリー記者)

 羽生の次の順位戦の対局は2月4日。これに負ければA級残留の目は消えるので、将棋ファンは気を揉む1日となりそうだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2022/01/21 07:00
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