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藤井聡太二冠とAIの対局もある? シラケる? おもしろい? NHK将棋中継「AI評価値」導入に賛否両論

文=石井洋男(いしい・ひろお)

シラケる? おもしろい? NHK将棋中継「AI評価値」導入に賛否両論の画像1
藤井聡太

 まもなく放送開始から50年を迎える『NHK杯テレビ将棋トーナメント』(NHK Eテレ)が、新年度からAIの勝率表示を開始。5月30日に行われた飯島栄治八段対大橋貴洸六段の対局で、珍事件があった。

「将棋は後手の大橋六段優勢の状況で進み、AIの勝率表示は一旦『後手98%』まで行きましたが、大橋六段に悪手が出て、一気に形勢が逆転します。そして終盤に入ると、棋士が一手指すごとに『先手99%』『後手99%』『先手99%』と、勝率表示がジェットコースターのように上下。最後は飯島八段が鮮やかに逆転で勝ちましたが、AI評価の乱高下には、解説の村山慈明七段も困りきった様子でした」(40年来の将棋ファンの男性)

 これほど優勢・劣勢の評価がコロコロ変わるということは、棋士が最善だと思って指した手を、AIはまるで評価しなかったということだ。ほんの十数年前まで、コンピュータはプロ棋士の相手ではなかったが、今や全く敵わぬ相手になってしまっている。

「多くの将棋ファンが衝撃を受けたのが、2012年に行われた第1回電王戦です。米長邦雄・元名人がコンピュータに敗れると、翌2013年の第2回電王戦では、プロ棋士とコンピュータが5対5で対戦し、人間側は1勝3敗1分けと惨敗。2017年に佐藤天彦名人(当時)がコンピュータに2連敗して“結論”が出ました」(週刊誌将棋担当記者)

 今では将棋中継にAI評価が出るのは当たり前。NHK杯も遅ればせながらそれに乗っかった形だが、注目度が高く、ライトなファンも楽しみにしている番組だけに、ハレーションは少なくない。

「従来の将棋中継は、現時点でどちらが有利なのか、“詰み”はあるのかといったことがあやふやで、将棋が強くない人にはチンプンカンプンでした。それが“とっつきにくさ”につながっていた点は否めません。しかし、画面にAIの評価値が映し出されるようになると、解説のプロ棋士がAIの意図を解読できずに悩むシーンを頻繁に見かけるようになりました。もはや将棋中継は、『AIが見つけた“答え”を人間が見つけられるのか』を楽しむものと化しています。

 ネットの書き込みを見ると、AI評価の表示を面白がる投稿は少なくありませんが、NHKには『無粋だ』『dボタンで消せるようにしろ』といった声も寄せられているようです。将棋界隈は現在、藤井聡太ブームに沸いていますが、NHK杯中継で『AIより弱い人間』の姿があらわになる影響は計り知れないでしょう」(同)

 そう簡単に叶う話ではないだろうが、もし藤井聡太二冠がAIと戦って敗れたら? それでも将棋ファンは、プロ棋士が指す将棋に楽しみを見出だせるのだろうか……。

石井洋男(いしい・ひろお)

石井洋男(いしい・ひろお)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2021/06/02 17:00
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