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『コーダ あいのうた』、『ドリームプラン』、『リコリス・ピザ』

ゴールデングローブ賞、受賞は逃したけど「最高!」なノミネート作品3選

自分を信じ、子どもの才能を信じ続けた男の物語『ドリームプラン』

ゴールデングローブ賞、受賞は逃したけど「最高!」なノミネート作品3選の画像5
©2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

【ストーリー】
2人の娘を世界最強のテニスプレイヤーに育てる夢を持つ破天荒な父親・リチャード。テニス未経験の彼は、娘たちが生まれる前から「常識破りの計画=ドリームプラン」を独学で作成。その無謀なプランと娘たちの可能性を信じ続けた父は、どうやって2人の世界チャンピオンを誕生させたのか?

 今作は、ビーナス・ウィリアムズ、セリーナ・ウィリアムズ姉妹を独自のプランでプロテニス選手に育て上げた父・リチャードに焦点を当てたノンフィクション映画。型破りなプランは家族や周囲を巻き込み、やがては世界さえも巻き込んでいく。

 ウィリアムズ姉妹がテニスを始めた頃、テニスはまだ白人や富裕層のスポーツとしての印象が強かった。生活に余裕のない黒人は相手にもされず、才能があったとしても、テニス界に足を踏み入れること自体がとても難しい環境だったのだ。

 ウィリアムズ姉妹はその活躍によって、保守的だったプロテニス界に風穴を開けた存在として、今も黒人はもとより、多くのテニスプレイヤーから尊敬の念を集めている。もちろんウィリアムズ姉妹の能力が秀でていたことが大前提ではあるが、黒人には無理だと言われ続けながらも、自分を信じ、家族を信じ、何より子どもたちの才能を信じ続けた、父・リチャードによる力も同等に大きいといえる。

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 歴史的に白人が支配してきたテニス業界のトップに黒人が立つということは、多くの人に夢や希望を与えると同時に、“黒人のアイコン”として扱われるプレッシャーとも戦うことになる。

 単にメディアに出て目立ちたい、有名になりたいという、子どものままの感覚では、周囲からのプレッシャーを受け止められず、ドラッグやアルコールの誘惑に負けてしまうかもしれない……。だからこそ、姉妹がプレッシャーを闘志に変換できるほど精神的に成長するまで、リチャードは待っていたのだ。

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 みるみるとテニスが上達していくウィリアムズ姉妹。白人富裕層のスポーツだと思い込んでいる相手を次々と負かしていく様子は、まさに王道スポコン映画といった趣もある。手に汗握るシーンも多く、爽快感があって、娯楽要素もしっかりと盛り込まれている。

 同作は、作品賞や助演女優賞などにノミネートされていたが、父・リチャード役を演じたウィル・スミスの主演男優賞(ドラマ部門)が唯一の受賞となった。ウィルにとっては、久しぶりの当たり役。アカデミー賞でも受賞の可能性は大いにあるだろう。

『ドリームプラン』
★2022年2/23(水・祝)より全国ロードショー
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン 
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル

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