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世界は映画を見てればだいたいわかる#34

少女性的虐待の元大富豪エプスタインの共犯者「なぜ彼女はこんな犯罪に加担した?」

裏側知ればまるで詐欺師な社交界の謎カップル誕生!

 1980年代、アメリカでも、もう一人のロバート・マックスウェルが誕生しようとしていた。ジェフリー・エプスタインだ。二人の経歴はよく似ている。ユダヤ系でホロコーストで親族を亡くし、貧しい労働者階級から富豪に成り上がった立身出世の人物だ。

 ニューヨークの投資銀行を規約違反で追い出されたエプスタインはロンドンに渡り、大物武器商人と知り合い、金融の闇の部分に足を入れ大成功する。その中でロバートと知り合い、ギレーヌとも知り合う。エプスタインは人をして

「人の心を巧みに操って誘導する方法を知っていたよ」

ってそれは詐欺師の才能なんじゃ……。

 画して父親と似ているエプスタインに彼女は惹かれていく。そしてエプスタインはマックスウェルの帝国に入り込むために彼女を利用する。

 その頃ロバートは、自身の帝国を世界中に拡大しようとしていた。イギリスだけじゃあ満足できない! マードックのいるアメリカへ乗り込んでやる! その水先案内をしたのがエプスタインであり、有力者を紹介するための社交パーティーに相棒としてギレーヌが選ばれる。かつて母親が務めていた役目をギレーヌが独占する。母親の代わりになったギレーヌは父親の愛を一身に受け、愛用のクルーズ船にロバートは「レディ・ギレーヌ」と名付けてしまうほど。このままロバートの帝国はアメリカも飲み込むのか、と思われたがそうはならなかった。

 従業員の年金を勝手に借りて経営状況を良く見せるという不正でグループを維持していた手段は行き詰まり、イスラエルの諜報機関に長年情報を流出させていたといった疑惑が密かに追及されるようにもなり、会社も自分自身も末期的状況の中、ロバートは娘の名前をつけた船から海に落ち、亡くなってしまう。

 事故死か自殺か、陰謀論が駆け巡る中、死後数々の醜聞が晒され、マックスウェル帝国は崩壊。だがギレーヌは死なず。ニューヨーク社交界に渡った彼女は新たな成功を手にしていた。

 父の死を涙ながらにメディアの前で報告していた彼女は、その週間後、何食わぬ顔でニューヨークの社交界にエプスタインと連れ立って笑顔で歩いていた! イギリスではメディアの集中砲火を浴びる立場だが、ニューヨーカーは過去なんか気にしない、の格言通り、アメリカ社交界はあっさり彼女を受け入れる。

 そしてギレーヌはアメリカ以外の世界をエプスタインに案内する。イギリス社交界に強い影響力をもっていたギレーヌは有力者たちをエプスタインに紹介し、彼の影響力は拡大を続けた。

 パーティで幸せそうに振る舞う二人だが、結婚はしておらず、周囲に「謎のカップル」といわれ不思議がられた。理由は明かされないが、そういう趣味だったからなんでしょうねえ。

 そして、事件が起きる。

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