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元芸人がR-1 2022 分析!

ZAZYが辿り着いたフリップ最終形態「PCでも紙芝居」に培ってきた自信と誇りを感じた

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

ZAZYが辿り着いたフリップ最終形態「PCでも紙芝居」に培ってきた自信と誇りを感じたの画像1
「R-1グランプリ2022」公式サイトより

 今回のコラムは先日行われたピン芸で誰が一番面白いかを決める大会「R-1グランプリ2022」についてネタレビューをしようと思っている。

 僕の場合、賞レースのレビューを書くときには出場者の情報をあまり入れずにレビューを書くことを心掛けている。その方が純粋にネタだけを見てレビューが書けると思っているからだ。

 だが一方で、最低限の情報として名前や経歴などはある程度調べることにしている。今回もいつも通り調べていたのだが、その最中にネットでR-1グランプリ決勝進出者の会見がグダグダだったという記事を目にした。

 本当にグダグダだったのかが気になり、会見の様子を見ることにした。実際に見た感想としては、グダグダと言うほどグダグダではなかった。むしろあんなものだろう。決勝進出を発表され、面食らったまま舞台に上がり、いまの心境を聞かれるのだ。上手く答えられなくても仕方がない。おそらく頭の中は決勝に進出した喜び、恐ろしいまでのプレッシャー、ネタは何にするか? などパニックに近い状態になっているはずだ。

 しかも壇上に上がっている芸人は芸歴が多いテレビ慣れしたベテランではなく、芸歴10年未満の若手芸人なのだ。そこまで多くを求めては可哀そうである。記者会見がグダグダでもネタさえ面白ければそれでいいのだ。会見の上手さは売れてからいくらでも手に入る。

 さて、ネット記事の話はこれくらいにして、さっそく本題の「R-1グランプリ2022」の全ネタレビューをしていく。まず顔ぶれを見たときの率直な感想は、昨年にも増してフレッシュな顔ぶれだなという印象。芸歴10年以上の芸人が出場出来ないというのはこういうことなのか、と改めて実感した。

トップバッター「kento fukaya」さん

 昨年のR-1グランプリ決勝戦にも進出していたので彼のネタは覚えていた。その時の印象は面白いかどうかではなく、フリップを三枚も使って器用にネタをやるなぁだった。

 果たして今年はどう進化しているのか。ネタが始まってすぐ、その進化は見て取れた。

 まずフリップ呼ぶにはあまりにも大きく、三面体のパネルと思しきものが6体ほど舞台上に立っていた。トップバッターということもあり、ネタが始まってすぐに会場のテンションをあげようと大きな声を出したところまでは良かったが、なぜかその直後、居酒屋の扉を開ける効果音を入れてしまい会場が静まり返ってしまった。この効果音を入れる狙いはどこにあったのだろうか。

 その後そのパネルには女性3人と男性3人が書かれており、録音された声でネタが進行していく。その声に慣れさせるために最初に効果音を入れたのだとしたら、はっきりいっていらない。お客さんがテンションを上げようとしていたのにとても残念だ。

 ネタ中のボケは録音された声のみで、kentoさん自体はツッコミにまわるというネタ。絵自体でもボケるし、お客さんの想像を覆すような絵だったり、カーテンレールの細工がしてあったりと、6体のパネルを本当に上手く使っていた。

 ただ、こういうトリッキーなシステムのネタでどうしても危惧してしまうのは、見終わった後に芸人自身の印象が残らないという点だ。パネルや細工のインパクトが強すぎるせいで芸人自身の面白さが見えづらくなってしまうのだ。

 さらに「笑い」よりも「凄い」が勝ってしまうというのも勿体ない点。それが賞レースなら尚更だ。残念ながら両方ともkentoさんに当てはまってしまったように思える。トップバッターで点数を取りづらい中、上記のマイナス点があり、高得点を得られなかった。ラストイヤーという事でR-1ではもうネタを見ることは出来ないが、今後のネタはぜひ「kento fukaya」が印象に残るネタを作ってほしいと思う。

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