ななまがり「芸歴がちゃんと力になってる」、裏路地からメインストリートに進入中

「そろそろいいヅラに変えたい」「そんなに汚く見える？」

――コントの細かい設定は気にしないんですか。カツラが妙に安っぽかったり、ホストクラブのネタでホワイトボードに店名が「umbrella」とだけ書いてあったり、その雑さに笑うこともあって。

初瀬　ネタの内容のこだわりはもちろんあるんですよ。でも、僕が女性役だったら女性とわかればいいと思っちゃうんですね。ホストのネタも、ここがホストクラブで、2人がホスト役であることさえわかればいいと。あのヅラもデビュー当時買ったやつを使ってます。
森下　コントって自腹切って小道具揃えるじゃないですか。まったくお金なかったころは、おじいちゃんヅラ一個あるからいいじゃんと思ってましたね。最近は周りから「あのヅラ、どうにかできんの？」と言われすぎて、そろそろいいヅラに変えたいなと考えていたんですよ。でも今、初瀬の発言聞いて、まだその感じなんやなと……。
初瀬　今まで買ってきたヅラで、何の役もまかなえちゃうのもあるかもしれませんね。数は大体30、劇場のヅラ入れと同じぐらいあるんで。あと僕は「そんなに汚く見えるのかな？」とも思っちゃうんですよ。
森下　汚いらしいよ。検索すると、お客さんのつぶやきよく見かけるから。それとコントのはじめに「初瀬のヅラで笑ってるんやろうなー」ってとき、キレイにしたらもっとコントに入り込めるんじゃないか？　とも思いますね。「ななまつり」でもヅラ使うコントは多いはずなんで、キレイなヅラが出てくるかもしれません。注目してほしいです。
初瀬　今までにないキャラクターが出るコントができたら、もちろん買います！

「コント？　何それ？　そんなのあるんだ」から始まった

――最初につくったコントはなんですか？
森下　「ヴァニラ」というコントですね。「ジャイアント馬場」を「ジャイアントヴァヴァ」と言ったり、「バ」を全部「ヴァ」で言うんです。「ヴェルディ、ヴァーサス、ヴィッセルコウヴェ」とか。マンキンの顔でお互い指を指しながら言い合うネタでした。

――漫才のようにも聞こえますね。
初瀬　コントなんです。僕ら、大学の落研で最初漫才やってて、今考えたら漫才師の真似事してるだけで、全然ウケなかったんですよ。そうしたら森下が突然「ヴァニラ」と言い出して、それオモロいからその感じで何かやってみるかと。
森下　僕はコントの存在を知らなかったんです。初瀬は詳しかったんで、「それ、コントじゃね？」と言われて「コント？　何それ？」「マイクを立てないやつだよ」「あ、そんなのあるんだ。じゃあそっちでやってみようか」でやったら、漫才の数十倍、人生で初めてウケました。そこから「じゃあコントの人じゃん俺たち！」でコントをやったらウケだしたんですよ。