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『トップガン』は本当に名作だったのか? 珠玉のトム・クルーズ出演作品で検証

『ミッション:インポッシブル』から怒涛の勢い

『トップガン』は本当に名作だった? 珠玉のトム・クルーズ出演作品で検証の画像2
『アイズ ワイド シャット』U-NEXT 公式サイトより

 96年に自身の会社クルーズ/ワグナープロダクションでプロデューサーにも挑み、『ミッション:インポッシブル』を制作、ドル箱のシリーズ化に成長させる。同年の『ザ・エージェント』で二度目のゴールングローブ賞に輝くと、2003年の『ラストサムライ』で渡辺謙や真田広之を見出し、巨匠スピルバーグ演出の『マイノリティ・リポート』(2002)『宇宙戦争』(2005)に主演し大ヒットに導き、押しも押されぬトップスターの地位に君臨するのだった。

 このまま大成功……と思いきや、その間にもうっかり失敗作に出てしまうのがトム・クルーズなのだった。

 1999年公開の『アイズ ワイド シャット』は『2001年宇宙の旅』の巨匠スタンリー・キューブリックの遺作となったが、トムは当時のパートナー、ニコール・キッドマンと夫婦役で出演。夫婦の倦怠を描いた物語で、完璧主義及び秘密主義で知られるキューブリックは撮影に集中させるため夫妻をイギリスに一年間長期滞在させたうえ、度重なる撮り直しのために撮影日数は400日というギネス記録を達成するほど時間をかけた。

 そこまで手間暇かけた映画だが、内容は倦怠期の夫婦がそれぞれ浮気の誘惑にかられ、夫のトムが乱交パーティーに挑戦するという日活ロマンポルノみたいな話でキューブリックが語ったという「これがわたしの最高傑作だ!」という惹句が宣伝に使われていたが、ロマンポルノがあんたの最高傑作かよ!

 映画では乱交ではなく「儀式」という言葉にされてますけど、富裕層(と思われる)男女がイブニングドレスやバタフライマスクをつけて性行為に励んでいる(しかも、コマ撮りアニメみたいな腰の動きでちっともいやらしくない! 韓国映画の濡れ場の方がリアルだぞ!)。富裕層ってそんなことしてるの?

 浮気を決意したトムが拳を手でバシッと叩いて「よーし!浮気しちゃうぞ!」と気合を入れるシーン、笑いをこらえるのが大変でした。

 広く世界の映画界に人材を求めていたトムはスペインのアレハンドロ・アメナーバルをハリウッドに紹介し、彼の映画『オープン・ユア・アイズ』(97)を『バニラ・スカイ』(2001)のタイトルでリメイク。父親の会社を継いだ富豪でプレイボーイの男を演じるトムは親友の恋人に恋慕を抱いたことでセックスフレンドに嫉妬され、無理心中を図られる。女は死んだが、トムは奇跡的に助かる。しかし傷を負った彼の顔は二目と見られないものになり、それをきっかけに会社の乗っ取り騒ぎが起き、自暴自棄になったトムは酒に酔って暴れまわり、友人たちは次々離れていくのだった。

 ほぼスペイン版と同じ内容だが、大きく違うところは損傷を負った顔の特殊メイクでスペイン版は化け物みたいな顔になってるのに、トムの方はちょっと傷が入ってるぐらいで、どこからどう見てもトム・クルーズ(笑)。そんなにイケメンのルックスを傷つけるのが嫌だったのか! この覚悟のなさが災いして、映画の評価は最低だった。

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