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那須川天心VS武尊のPPV売上、石井館長が「50万件で25億円」の見込みと報告

格闘技のテレビ放映権料は急落

 これを受けて、業界関係者からは「結果として地上波放送が消滅したことでPPVの売上が伸びた」と指摘する意見があがり始めている。

 「PRIDE」などが盛り上がっていた格闘技ブームのころ、地上波の放映権料は10億円前後にまで跳ね上がっていた。しかし、現在はブームの沈静化やテレビ局の予算削減の影響で数千万円レベルにまで落ち込んでいる。榊原氏もフジ撤退を受けての緊急会見で「放映権料の安さ」を強調し、大会運営への影響は少ないと訴えていた。

 仮に石井館長の予想どおりだとすれば、PPVの売上25億円は地上波の放映権料をはるかにしのぐ。地上波放送はプロモーションの意味合いも大きいが、近年はSNSやYouTubeの発達で選手個人が発信力を身につけており、テレビの重要性は以前よりも薄れてきている。

 また、会場には多くの芸能人に加え、ヒカキン、はじめしゃちょー、フィッシャーズ・シルクロードら人気YouTuberが多数招待されており、彼らにSNSで試合の興奮を伝えてもらうことで、テレビに頼らないプロモーションを展開していたようだ。

 9月に開催を予定する「RIZIN」で元プロボクシング世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーと総合格闘家・朝倉未来の注目のエキシビションマッチが行われるが、こちらも同じく地上波放送なしでPPV配信のみとなる。

 天心と武尊の一戦が「地上波なしでも十分にやっていける」と期待させる数字を叩き出したことで、いよいよ格闘技の「配信時代」が本格的にスタートしそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/03/30 19:10
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