日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 苦境の中で生み出した企画の旨さ

『全日本アレオレ! 発表会』フジテレビ苦境の中で生み出した企画の旨さ

視聴者が求める笑いプラス感動

 現に22日に放送された回には「初めて携帯電話にカメラを付けた人」という元J-PHONEの責任者の方が登場し、番組としては十二分に成立していた。しかもこの方の場合、「携帯電話の充電残量マークを初めて表示した人」でもあり「QRコードを携帯で読み込めるようにした人」でもあった。

 このほかにも次々と「アレオレ」を発表し、会場は大盛り上がりに。つまりこの番組自体が、面白さより関心や驚きの方が主軸である為、お笑い的な面白さは二の次なのだ。

 そうなるとさらに番組としてはメリットがある。それは笑わせるのがメインではないので「つまらない」等の叩かれる要素が少ないというところだ。お題は無限に広がり、叩かれることも少ない。なんと効率的な番組なのだろうか。まさにローリスクハイリターンと言ったところ。

 そしてもうひとつ良いところは「アレオレ」を発表した出演者は退場する前に”今俺が思う事”「イマオレ」を発表して帰っていくのだ。「イマオレ」というのは面白い事を言う必要はなく、その出場者の考えであったり真面目な意見を言うためのコーナーであり、それはとても短い時間なのだが、その人の当時を振り返った意見や、現代の人たちへのメッセージを述べるので、感動すら覚える。

 今の視聴者が、面白いものと同時に泣けるものも求めているのは間違いないと思う。それなのでこの「感動」というパーツは今のテレビ番組に置いて「必要不可欠なもの」である。

「関心」「驚き」「笑い」「感動」

 この4つが組み込まれている深夜番組はなかなか無い。みなさんも機会があったら是非ご覧になることをオススメする。

 ただ、かなりハードルを上げてしまったので「なんだよつまらないじゃないか!」と言われかねない。なので良い意味で「深夜番組」だということは忘れないでいただきたい。

 ちなみにテーマソングは「マツケンサンバ㈼」のパロディ「アレオレナンダ㈼」。そしてなぜかダンサーとして松戸のサンバ隊が2人いる。

 これでだいぶハードルは下がったかな?

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/06/30 11:00
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真