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有吉弘行、2度の“落ち目”から一転 全曜日制覇でテレビ界のトップに立ったある転機

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有吉弘行(Getty Images)

 現在、毎週火曜日深夜に放送中のテレビ朝日系『有吉クイズ』。10月の改変で毎週火曜20時に移動すると東スポWebが報じた。この他に現在放送中の有吉のレギュラー番組6本が10月以降も継続すれば、日曜日~土曜日の全曜日のゴールデンタイム・プライムタイムに有吉の冠番組がラインナップされることとなる。

「東スポも“有吉が天下を獲った”と報じていますが、帯番組は除いて、全曜日に冠番組を持つタレントは前代未聞ですよ。有吉さんは完全にテレビ界のトップに立った」(テレビ局関係者)

 そんな有吉だが、2019年には『噂の現場急行バラエティー レディース有吉』(関西テレビ・フジテレビ系)、『超問クイズ! 真実か?ウソか?』(日本テレビ系)という2本のゴールデンタイムのレギュラー番組が終了しており、このタイミングでは“ピークアウトした”とも言われていた。

「有吉さんがゴールデンタイムで冠番組を持つようになったのは2013年くらいから。それから5~6年経って“飽きられてきた”という空気が漂い始めたのが、その2019年くらいだったんですよね。それまでの毒舌キャラもかなりトーンダウンして、情報バラエティー番組のMCをソツなくこなすようなイメージになりつつあったときですね」(同)

 しかし、そこからフェードアウトするどころか、再びレギュラー番組を増やし、ついに全曜日制覇を達成せんとする有吉。その大きな契機となったのが、2020年4月からレギュラー放送が始まった『有吉の壁』(日本テレビ系)だという。

「『有吉の壁』は、若手芸人たちがいろんなシチュエーションでボケまくって、それを有吉さんが判定するという、実はかなりハードコアでお笑い純度の高い番組です。それまで“情報バラエティーのMC”というような立場になっていた有吉さんですが、『有吉の壁』という“お笑い番組”を持つことで、業界内での“芸人としての有吉弘行”の魅力が再認識されるようになったんです。有吉さん自身がボケるわけではないものの、後輩芸人とのカラミの中で、有吉さん本来のお笑いセンスやスキルが十二分に発揮されていた。『有吉の壁』で、“さすが有吉”という感じになったのは間違いないですね」(同)

 今回ゴールデンタイムに昇格する『有吉クイズ』もまた、お笑い純度の高い番組だ。

「芸人たちの知られざるプライベートに密着し、そこからクイズを出すんですが、クイズとは名ばかりで、“一体、何を見せられているんだ?”というVTRばかり。ロケVTR自体が“ボケ”になっていて、パネラーたちもツッコミながら楽しんでいる。そして何より、有吉さん本人のロケVTRがブッ飛んでいるんですよね。脱毛を体験したり、ラブドールを作ったりと、決してテレビ的ではなく、かなり尖ったお笑い番組であることは言うまでもありません」(同)

※『有壁』から生まれし2.7次元ミュージカル「KOUGU維新」のきつねインタビューはこちら

 テレビ朝日のバラエティー番組と言えば、深夜帯からゴールデンタイムに昇格するパターンが多い。しかし、ゴールデンタイムに移動した途端、それまでの先鋭性が薄れ、つまらない番組になってしまうということも少なくない。ハードコアなお笑い番組であるがゆえ、『有吉クイズ』のゴールデンタイム昇格を心配する声も多い。

「『有吉クイズ』に近い雰囲気の番組といえば、千鳥がMCを務める『相席食堂』があります。『相席食堂』の場合、“悪意ある編集”や千鳥2人のツッコミによって、笑いのポイントをうまく提示していますが、『有吉クイズ』のロケVTRはそもそも“何を見せられているんだ”というおもしろさなので、ゴールデン然としたわかりやすいおもしろさを提示すると、逆につまらなくなってしまう可能性もあります。このあたりのさじ加減は難しいでしょう」(同)

 お笑い純度の高い番組を担当することで、ピークアウトを免れ、“第2波”の波に乗れた有吉。ゴールデンタイム昇格後の『有吉クイズ』が、どう転んでいくかで、有吉の今後も左右されそうだ。

田井じゅん(エンタメウォッチャー)

1985年生まれ。神奈川県出身。専門学校在学中より、ミニコミ誌やフリーペーパーなどでライター活動を開始。一般企業への就職を経て、週刊誌の芸能記者に転身。アイドル業界や音楽業界を中心に、その裏側を取材中。

たいじゅん

最終更新:2022/07/13 19:00
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