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オズワルド伊藤蛙亭岩倉、芸人同士の恋愛が珍しくなくなった理由

芸人同士で付き合うメリットデメリット

 次は芸人同士で付き合うメリット、デメリットについて考えてみよう。

 まずはメリットから。パッと思いつくのは「ネタが詰まったときにアイデアをくれる」。本当なら「一緒にネタを作ってくれる」と書きたいところだが、さすがにそれは難しい。何故ならコンビやキャラクターの色が違ったり、ボケの好き嫌いもある。なので根本からネタを作るなら、コンビを組んでしまったほうがよっぽどいい。ただ付き合っているだけならアイデアをくれるだけで十分だ。一歩引いてネタを見てるほうが、アイデアが出やすかったりするのも事実。なので基本的な笑いの価値観が合っていればこれほど心強い存在はない。

 次に「突然先輩と飲むことになっても快諾してくれる」。芸人は突然、先輩が飲みに誘ってくることが多い。可愛がられている後輩になると、ライブの後は毎回と言っても過言ではない。何だったら休みの日でも突然変な用事で呼び出してくる先輩もいる。一般の方だと嘘だと思うような理由でも芸人の恋人なら信じてくれる。

 ちなみに僕が若手芸人の頃、突然「日の出が見たい」という連絡が来て、断ろうと思ったが既に家の前で待機され、真夜中に湘南まで行ったこともある。日常茶飯事とは言わないが、そんな話を聞いても芸人はたぶん驚かない。

 続いてデメリットにいってみよう。

 最も嫌なのは「恋人が目の前でツルツルにすべる」ということ。どんな芸人でもライブで100%笑いを起こせるというものではない。しかも若手芸人なら余計にすべる可能性が高い。同じくらいの芸歴で同じくらいの人気なら、同じ舞台に立つことも少なくない。恋人が目の前ですべり散らかしたらなんて声を掛ければいいのだろう。さらに落ち込んでいる帰り道にどう慰めていいかわからない。

「まあ元気出せよ。俺は面白かったよ」

 最悪の慰めだ。お前だけ面白くても他の人がつまらなかったら辞めたほうがいい。だから慰めるくらいなら舞台上で、一緒に死ぬつもりでツッコミでもボケでもいいからフォローするべきなのだ。笑いが起これば彼女は助かり、一緒にすべれば笑い話になる。おっと「すべったときの対処法」なんて、どうでもいい話をしてしまった。

 すべるというのは芸人に限った事ではない。普通の生活においてもすべる人はたくさんいる。

「挨拶し返したら自分じゃなかった人」「自分が迷子ということに気づく寸前の小学生」「店員扱いされたお客さんとしたお客さん」など。皆さんはそんなすべった人間をまじまじと見たことがあるだろうか。すべった人間は喜怒哀楽のどれにも属さない顔をするのだ。何とも言えない、どう表現したらいいかわからない顔に。ただこれだけはわかる。100人中100人が悲愴感を感じる顔だ。恋人がそんな顔をしたら百年の恋も冷めてしまう可能性がある。ましてや”すべる”と隣り合わせの芸人の世界にいる恋人ならその「すべり顔」を見る可能性が高くなる。これはかなりのデメリットだろう。

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