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元芸人が全出場者をレビュー

神田アナ「IPPON女子グランプリ」お笑いのルールに乗らないおもしろさ

神田愛花「IPPON女子グランプリ」お笑いのルールに乗らないおもしろさの画像1
神田愛花 セント・フォース 公式サイトより

 25日21時より、土曜プレミアム「まっちゃんねる」(フジテレビ)の第3弾が放送された。

 2020年の10月に放送された第1弾では松本人志発案による「密室笑わせ合いサバイバル」番組「HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル」の女性版「女子メンタル」を放送。そして21年6月に放送された第2弾では「女子メンタル」の第2回大会に加え、イケメン芸能人たちが本気の笑わせ合いバトルを繰り広げる「イケメンタル」が放送された。

 そして第3弾の今回は、松本が大会チェアマンを務め、大喜利好きの芸人を招待し、誰が1番大喜利が面白いかを競い合う「IPPONグランプリ」の出場者を”女性に限定”した「IPPON女子グランプリ」を開催。基本的には芸人が競い合う大会なのだが、この「IPPON女子グランプリ」は「女芸人版」と「女性タレント版」という2つの大会を実施した。

 審査方法だが「IPPONグランプリ」とは少し違っている。「IPPONグランプリ」の場合、審査は同じ出場者が行うが、今回はチェアマンの松本人志のほか「IPPONグランプリ」で優勝経験を持つ、バカリズム、川島明(麒麟)、大悟(千鳥)を加えた4人が審査ブースから感想やツッコミを入れながら戦いを見守る。審査員は1人2ポイントずつ持っており、合計8ポイントでIPPONになるというシステムだ。

 今回はこの「IPPON女子グランプリ」を元芸人として分析しレビューしてみよう。

 女芸人版の出場者は、箕輪はるか(ハリセンボン)、福田麻貴(3時のヒロイン)加納(Aマッソ)イワクラ(蛙亭)の4名。やはりこの中では「IPPONグランプリ」のほうにも出場したことがある箕輪さんが少し、有利といったところだろうか。

 そして女性タレント版の出場者は、滝沢カレン、王林、神田愛花、NMB48の渋谷凪咲の4名。NMB48の渋谷さんは、芸人からの大喜利評価が高いらしい。さらに滝沢カレンさんは大喜利が好きとのこと。ぶっちゃけ女芸人版より予測不能な為、こちらのほうが面白そうではある。

 まず初めに放送されたのは「女芸人版」のほう。芸人たちの緊張感は画面のこちら側まで伝わってくるほどだった。いざ始まってみると、序盤は箕輪さんがリードし、後半イワクラさんが追い込んできたが届かず、箕輪さんが貫録勝ちをしたという図式だった。

 大喜利をするうえで大切なものは何か? 大半の人は面白い答えというかもしれないが、実をいうとそうでもない。

 もちろんある一定の面白さは必要だが、本当に大事なのは答えを出す前の”空気作り”と”言い方”だ。空気作りが上手くいけば60点の答えが80点になるし、言い方が合えば100点にもなる。逆に空気作りや言い方を失敗すれば、笑える回答も笑えなくなってしまうのだ。

 それを踏まえてこの女芸人版を見てみよう。

 1位の箕輪さんと2位のイワクラさん。この2人に共通しているものがある。それは普段からキャラクターがあるということ。箕輪さんは弱々しさの中に飄々とした雰囲気を感じ、イワクラさんは声量の無さと挙動不審ながら面白い事を言いそうな雰囲気を持っている。つまりこの時点で空気作りが出来ているという事なのだ。

 序盤イワクラさんが「IPPON」取れなかったのは純粋に回答が良くなかっただけで、回答の良さが噛み合うとどんどん「IPPON」を取れるようになる。逆に福田さんや加納さんは普段、トークやツッコミの面白さはピカイチだが大喜利になると、まだまだ空気作りが出来ていないように思えた。そのせいで良い答えだとしてもあまり点数が伸びなかったのではないだろうか。

 こう聞くとキャラクターが強くないと大喜利ができないのかと思う人もいるかもしれないがそうではない。

 現に今回審査員を務めているバカリズムさんや麒麟の川島さんは、強烈なキャラクターを持っているわけではない。

 ではバカリズムさんや麒麟の川島さんはどうやって大喜利を勝ってきているのか。答えのクオリティが高いのはもちろんだが、お題に合わせて答えを出す前に微妙なキャラクターを入れて空気作りをし、間も含めて空気が整ったら、自分が書いた答えに合わせた言い方を選んでいるのだ。

 大喜利職人たちは大喜利の”答え”だけを考えるわけではなく、場の流れ、他の芸人の回答、空気感、会場のテンションなどあらゆることを計算して答えを出しているのだ。もちろん頭でやっている部分もあれば、慣れからの感覚でやっている部分もある。なので大喜利はセンスとキャラクターそして経験値が大切になってくるのだ。

 ただそんな経験値を凌駕する存在がたまに出てくる。それを垣間見れたのが女性タレント版だ。

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