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“クズ芸人”はなぜ増殖しているのか? コンプラ芸人時代の徒花か

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

クズ芸人はなぜ増殖しているのか? コンプラ芸人時代の徒花かの画像1
ザ・マミィ プロダクション人力舎 公式サイトより

 お笑い第七世代という一大ブームもとっくの昔に落ち着いてしまい、今のお笑い界はどこか静かで、盛り上がりに欠ける状態になっている。もちろんその原因としては暗いニュースや、コンプライアンスによってやれることが狭まっているなど多々ある。その辺りの話はまた別のコラムでもつづっているのだがそんな中、今注目を集めている芸人たちがいる。それは”クズ芸人”だ。

 ダメな人間性を売りにし、クズなエピソードで笑いを取り、そして売れた今も変わることなくクズな行為を繰り返す。地でクズな生活をしているからこそ面白いと言われるクズ芸人たち。そんなクズ芸人の代表といえばザ・マミィの酒井貴士、空気階段の鈴木もぐら、最近でてきたところだと相席スタートの山添寛、そしてなんといってもピン芸人の岡野陽一といったところだろう。

 今回は何故この時代にクズ芸人たちが注目されるのかを元芸人として分析し軽掘りしていく。

 みなさんはこのクズ芸人たちのエピソードを聞いてどう思うのか。

 例えとしてザ・マミィの酒井さんエピソードをふたつほど紹介しよう。

 まずひとつ目は「余った弁当を親に販売」。収録などで余った弁当を家に持ち帰り、親に500円で販売していたのだ。だが親も500円でこんなにおいしいお弁当が食べられるとはと喜んでいたらしい。

 ふたつ目は「ネットでお金が落ちている場所を検索」。酒井さんはお金に困りスマホで「お金」「落ちている場所」と検索し、お祭りが終わった後の会場に行き実際に100円を見つけた。しかし「拾ったら人間じゃなくなる」と思い、踏みとどまったそうだ。

 上記のエピソードを聞くとクズなエピソードにも聞こえるが、「親も喜んでいた」や「踏みとどまった」などのオチがついており、しかもそのオチが人間的に愛されるオチになっているので良い印象を受ける。もしオチが付いていないとしてもエピソード自体が面白く、ネタのように聞こえる為クズが前面に顔を出さない。つまりクズ芸人たちのクズなエピソードを聞いても嫌いになる人はいないだろう。むしろ人間らしさや愛らしささえ感じる人がいるかもしれない。

 さらに彼らが良かったのは、芸人の世界に入ったことだ。

 昔から芸人は「飲む、打つ、買う」をすることにより芸人としての華が出ると言われてきた。「飲む、打つ、買う」とは何か。辞書の文章をそのまま引用すると「大酒を飲み、博打を打ち、女を買う。男が道楽の限りをつくすということ」という意味だ。

 かつてこの行為がどういう捉え方をされていたかはわからないが、今の時代に当てはめるとクズだと言える。まさに上記の4人の芸人が体現している言葉ではないか。それをすることにより華、つまりオーラが出るのならば、4人はオーラ出まくりというわけだ。「お酒も飲まない、ギャンブルしない、女性関係もいたって真面目」という芸人より魅力的に見えるのは当然と言える。

 そもそも古くから芸能に関する人たちが「河原者」や「河原乞食」と称され、差別や軽侮の対象とされてきたのを考えると、クズの集まりに見られていたといっても言い過ぎではないのかもしれない。

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