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旧統一教会報道で株をあげたTBSと『トップから報道に待った』で株を下げたテレ朝

セーヌ川に迷い込んだイルカと同じくらいの時間しか…

「事件当初は少し報じていたものの、その後はパッタリで、やっと報道再開をしたのが8月8日でした。でもこの日の『報道ステーション』でも内閣改造の話が中心で、あとは山上徹也容疑者について他局がこれまでやっていたような話をさらっと触れただけ。旧統一教会の件については、取材が間に合わなかったのか、たいして掘り下げていませんでしたし、食い込むのはABEMAで、って感じなんですかね。また、朝から硬派なニュースを流しているワイドショー『ワイドスクランブル』でも同様で、何ならその日は、セーヌ川に迷い込んだイルカについてのニュースとほとんど同じ位しか時間を割いていませんでしたよ」(既出・記者)

 もちろん様々なニュースは日々起きていて、割ける人員や時間にも限りはあるが、テレビ朝日が出遅れたのには、構造的なワケも絡んでいるそうだ。

「『フジテレビでさえやってるのに……』と話題になっていましたね。それはやっぱりトップから全報道系の番組に報道を控えるよう“お達し”があったそうです。自民党に気を使っていた、とのことなんですが、もちろん現場スタッフたちも『ふざけんな!』とは思うものの、反発の声まではあげられず。そんなジャーナリズムの在り方に『やっぱり虚しい』ともいっていました」(既出・局関係者)

 マスメディアの報道姿勢に対して、ますます注目が集まっているなかで、他局に比べると爪痕を残せていない。一度積極的に報じだした際に、旧統一教会からテレ朝に抗議があってから消極的になったと噂もある。

 しかし根本には、会社のカラーが時代の風に乗れていないようだ。

「報道でトップダウンがきつめになると、雰囲気も悪くなりますね。若手の意見が通ってウェブサイトに注目が集まっているTBSとの対比が見受けられます。テレ朝はこのところ、コロナ禍での社員のカラオケ会合からはじまって、社長がコンプライアンスで今年始めに“クビ”になったりしたことで、内部情報がさかんに報じられている。上層部では『だれが情報を流しているんだ?』と疑心暗鬼が蔓延しているそうです。当時、社長の退任に関する社内説明会で、質疑応答が開かれたらしいんですけど、大体の社員からの質問に、会長が恫喝して終わる(終わらせる)という展開になったなんて話も聞きました。例えば『現場で決めたものを最後役員がひっくり返すことが多くて困っている』という発言をした人に『それのどこが駄目なんだ』的なこといったりしたそうで……」(既出・記者)

 どの報道機関もこの事件の概要だけを報じ、“触らぬ神に祟りなし”という避け方は難しい局面になってきている。説明責任を負わない政治家の、その場限りの高慢な発言が際立っている今、攻めの姿勢を崩さない報道をこれかも期待したい。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2022/08/25 11:00
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