世界は映画を見ていれば大体わかる#38

『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』やっぱり裏にあった血なまぐさい逸話

文=しばりやトーマス(しばりや・とーます)

『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』裏にやっぱりあった血なまぐさい逸話の画像1
『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』U-NEXT 公式サイトより

「奴が決して断れない提案をする」

 これは映画『ゴッドファーザー』の名台詞のひとつで、アメリカン・フィルム・インスティチュート(アメリカの映画を保存する団体)が2005年に発表した「アメリカ映画の名セリフベスト100」の第2位にランキングされている。

 1972年に公開された『ゴッドファーザー』は紛れもない名作映画のひとつで「映画評論家が選ぶ名作映画ベスト100」とか「著名人が好きな映画ベスト100」などのベスト100企画では必ず上位に入る定番。

 そんな名作映画の製作の舞台裏を描いたドラマ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』(Paramount+配信作品)がU-NEXT独占配信されている。原題は『The Offer(提案)』で、映画の名台詞のように「断れない提案」を突き付けられた人々の悲喜劇が描かれる。あの名作の裏側でどんな出来事があったのか?

 物語は1960年代末のハリウッドからはじまる。この時代はハリウッドにとって最悪の時代でベトナム戦争、公民権運動と社会が激動に揺れ動く中、映画の観客は激減し、多くの映画会社が倒産、身売りに追い込まれていた。パラマウント映画も66年にコングロマリットのガルフ&ウエスタンに買収され、同グループの1部門として再建を図っていた。映画部門の会長、チャールズ・ブルドーンは映画プロデューサー、ロバート・エヴァンス(マシュー・グード)を引き抜き、「あまり金をかけずにヒット作をつくれ」という「決して断れない提案」を下す。自信満々のオレ様ぶりが鼻につく、いかにも「ハリウッドの映画プロデューサー」といった風のエヴァンスはベストセラー小説の映画化『ローズマリーの赤ちゃん』を低予算でヒットさせ期待に応える。

 エヴァンスの鼻がどこまでも高くなっている頃、二人の男がもがいていた。一人はマリオ・プーゾ(パトリック・ギャロ)。作家として目が出ない彼は借金に追われ、貯金もできないどん底。

「自分のルーツであるイタリア系のマフィアの話を書いたら?」

と奥さんに尻を叩かれ「ヤクザ者の話なんか書きたくない」とごねるが、背に腹は代えられない。これもまた「決して断れない提案」だ。マフィアのボス、ドン・コルレオーネを中心とした家族の話にすることで小説『ゴッドファーザー』は完成。プーゾ最大のベストセラーとなる。

 もう一人はアルバート・S・ラディ(マイルズ・テラー)。プログラマーとして冴えない人生を送っていた彼はバーで知り合ったコメディアンに「ナチス収容所でのコメディ」番組の企画をでっちあげ、テレビ局幹部たちを相手にプレゼンを勝ち取り、プロデューサーデビューする。しかし所詮はコメディ。本当にやりたかった仕事じゃない。そんな時ラディは映画館で見た『猿の惑星』(1968)に感動。

「これこそ僕の求めていたものだ」「映画館にいる300人の人間が同時に感動する。テレビでは味わえない」

 『猿の惑星』も映画史上最大の予算をかけた超大作『クレオパトラ』(1963)の失敗で傾いていた20世紀FOXが生んだ起死回生のヒット作だった。ラディは映画作りを目指す。

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