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極限状態に放り込まれるエンタメ盛り盛り映画『人質』と『ビースト』の魅力

文=ヒナタカ

極限状態に放り込まれるエンタメ盛り盛り映画『人質』と『ビースト』の魅力の画像1
C)2021 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K & SEM COMPANY. All Rights Reserved.

 9月9日より映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』と『ビースト』が公開されている。この2作は「一手を間違えば死ぬ極限状態に放り込まれる」「上映時間が90分台とタイト」「エンタメ盛り盛りでずっと面白い」ことが共通していたので、合わせて魅力を紹介しよう。

『人質』:ファン・ジョンミンが「本人役」で主演する意義

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 『人質 韓国トップスター誘拐事件』の基本的な内容は「誘拐された男が決死の脱出を試みる」とシンプル。そして、『新しき世界』(2013)や『ベテラン』(2016)などで知られるファン・ジョンミンが「本人役」で主演を務めていることが、ユニークな特徴であり魅力となっている。

 もちろんファン・ジョンミンは劇中でもトップスター俳優であり、だからこそ誘拐犯は高額の身代金を要求するし、誘拐事件は緊急の重大ニュースとして報じられる。それだけでなく、ファン・ジョンミン主演の映画を観ているとハッと気付けるファンサービスが物語に絡んでいたり、その「演技力」が活かされるシーンもある。

 例えば、劇中でファン・ジョンミンが「心臓の病気があるが、滋養強壮剤を飲めば症状は改善するんだ」と誘拐犯たちに真剣に訴える場面がある。もちろん誘拐犯は彼が俳優であることを知っているので、「さすがの演技力だな」と冷静に捉え、簡単に薬を与えたりはしない。しかし、やがてファン・ジョンミンは目が虚になり放心状態、さらによだれをたらし、あまつさえ小便を垂れ流して、本当に命の危険のある症状が出ているように「見える」のだが……その後に起こる出来事は、ぜひ映画本編を観て確認してほしい。

 また、トップスター俳優であるファン・ジョンミンの、「人間くささ」が強調されるシーンもある。例えば、誘拐される前にファンからのサインのお礼をしたいという言葉を人づてに聞くと「3万ウォンだな」と言ったり、「家に嫁さんがいないから自由だ」と笑顔で口にしたりと、冗談にしてもやや軽薄な言葉が目立っていたりもする。

 さらに、誘拐されてすぐは「顔を傷つけるのはやめてくれ。これからインタビューがあるんだ」と言って誘拐犯から笑われてしまうし、決定的に幻滅してしまうような言動もすることもある。だが、それらもまた「脱出のための演技なのかも」と思えるし、「弱さ」も含めた魅力をファン・ジョンミンは体現していて、何より心身ともにボロボロになっても希望を捨てずにいる様が丹念に描かれているので、やはり「がんばれ!」と応援したくなるのだ。

 さらに、ミュージカル俳優として知られるキム・ジェボムのサイコパスな誘拐犯のボスは表情の1つ1つから恐ろしく、「息を吸うように最悪なことをする」様に似合いまくっていて素晴らしい。不運にも同じく誘拐された少女を演じた『イカゲーム』のイ・ユミ、粗暴で情緒不安定な誘拐犯グループのNo.2役の『梨泰院クラス』のリュ・ギョンスにも注目だ。

 その上で、次々に派手な展開が起こるザ・エンタメな内容になっているのが何よりも嬉しい。ピル・カムソン監督がシナリオを書いた時に机に置いたキーワードは「迫力、スピード、予測不能、リアルなエネルギー」だったそうで、その通りの勢いやパワーが本作にはみっちりと詰まっている。まさにエネルギッシュな娯楽作を求めれば、きっと満足できるだろう。

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