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恒例・元芸人が渾身の全ネタ分析!

ビスケットブラザーズ、 生理的に無理でも強制的に笑わせる暴れぶり!全ネタレビュー

8番手は、2019年以来2回目の決勝進出を果たし今大会の覇者となった『ビスケットブラザーズ』

 基本的には大阪で活動しているコンビということもあり、彼らのネタを見る機会はあまり無かったが、直近でいうと2021年のM-1グランプリで準々決勝出場者のネタをレビューした際に、その漫才を拝見した。当時の漫才はその見た目のインパクトとは裏腹に、どちらかといえばあまり舞台を大きく使わないこじんまりとしていた印象を受けた。

 しかしコントはセンターマイクの前でやらなければならない漫才とは違い、舞台の居場所に制限はない。縦横無尽暴れる姿が見られるのか。

 ファーストステージでその願いはいきなり叶うことになる。ネタの内容は山で野犬に襲われているところを謎の男に助けてもらうというもの。設定は比較的ベタなものだが、謎の男は上半身はセーラー服、そして下半身はブリーフ姿という奇抜な恰好をしており、出オチ感はあるものの他の組に比べると明らかにふざける気満々で見ている側もワクワクが止まらない。

 予想通りネタは終始パワープレイで、一歩間違えれば一昔前のコントのように見えてしまうところだが、ビスケットブラザーズさんよりも前に、これほど頭の先からつま先までどっぷりふざけたコンビがいなかった為、逆に新鮮さを感じた。

 そして運命のファイナルステージはこれまた、特殊なネタ内容だった。うまく説明できるかわからないが親友だと思っていた女性が実は男性で、付き合ってくれと言い始めるといったもの。もっと詳細を書かなければ伝わらないと思うが、本気で伝えようとすると台本を丸ごと書かなければならない。つまりそれほどハチャメチャな設定ということだ。

 ファイナルステージへ進出した他の2組と比べると、正直ネタはあまり繊細ではない。さらに芝居もあまり上手ではないし、笑わせようとするツッコミフレーズの長さも語呂も気持ち良いものでは無い。だがボケの数とボケのパワーは圧倒的で、お客さんは見疲れしようが生理的に受け付けなかろうが半ば強制的に笑わせられる。

 お笑いのコンテストで1位を決めるとき、純粋に「笑いの量」が多いコンビが優勝する。今回はまさにそれだったのではないだろうか。結果、前年度の空気階段の記録を塗り替え歴代最高得点を叩き出した。

 ビスケットブラザーズさんの声量、動き、ボケ数を通して、昔から脈々と受け継がれている「コント」の神髄を見た気がする

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