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日本版『ゴット・タレント』の賞金は海外より見劣りするのはなぜか? 賞金1000万の壁

日本版『ゴット・タレント』の賞金は海外より見劣りするのはなぜか? 賞金1000万の壁の画像1
ABEMA「Japan’s Got Talent」公式サイトより

 1人の携帯電話販売店のセールスマン、ポール・ポッツを世界的なオペラ歌手にし、片田舎から出てきた48歳の女性、スーザン・ボイルを世界の歌姫と呼ばれるほどにしたオーデション番組『ゴット・タレント』。そんな世界的なオーディション番組の日本版が、2023年2月からABEMAで放送される。その名も「Japan’s Got Talent」(ジャパンズ ゴット タレント)。世界的なオーディション番組の日本版は果たしてどういうものになるのか。

 今回は元芸人目線で「Japan’s Got Talent」を分析し、軽掘りしていく。

「ゴット・タレント」は2005年に英国で放送がスタートし、現在までに「ブリテンズ ゴット タレント」や「アメリカズ ゴット タレント」など世界72カ国でオリジナル版が展開されている。「世界No.1のオーディション番組」としてギネス世界記録にも認定され、先述したポールポッツやスーザンボイルを輩出したことで世界的に有名になった。優勝賞金等は国によって異なるが、いずれにしても一攫千金と地位と名誉を目指して、歌手以外にもダンサーやマジシャン、コメディアンなど老若男女問わず様々なジャンルのパフォーマーが挑戦できる番組である。

 日本版の「ジャパンズ ゴット タレント」も同様に年齢制限もなく、個人でもグループでもジャンル問わず全世界から応募できるということなのだが、この日本版は他国の「ゴット タレント」同様の影響力を持つことはできるのだろうか。

 海外のゴットタレントの中でも英国の「ブリテンズ ゴット タレント」、米国の「アメリカズ ゴット タレント」は世界的な影響力を持っている。英国版は先述したポール・ポッツやスーザン・ボイルを輩出したことを考えると一夜にして参加者を時の人にするほどの影響力で、米国版も優勝者には賞金100万ドル(日本円にするとおよそ1億5000万円 ※10月19日)に加え、ラスベガスでの公演にメインで出演する権利も副賞として用意されている。地位も名誉も手に入れることが出来る。

 では「ジャパンズ ゴット タレント」が優勝者へ送る優勝への対価は何か? それは優勝賞金1000万円だ。他国のそれの賞金や副賞と比べると少し見劣りしてしまうかもしれない。だが、これには事情がある。かつては公正取引委員会の取り決めにより賞金の上限が100万円という時期があり、1996年に上限が1000万円に緩和、そして2006年に上限が撤廃されている。

 しかし民放では出演者1人当たり200万円という自主規制があり、そうなると1人に対して1000万円はかなりの大金であり、日本版のゴット タレントの優勝賞金に見合った額だといえるのではないだろうか。

 そしてもうひとつ気になるのは、日本版の審査員たちの顔触れだ。

 現在発表されているのはダウンタウンの浜田雅功さん、歌手のGAKCTさん、俳優の山田孝之さん、女優の広瀬アリスさんの4名。この面子を見る限り、現在放送されているバラエティ番組との差別化は出来なさそうな気がする。

 ちなみに海外の場合、コメディアンや俳優だけではなく、音楽プロデューサーや、ダンサー、作家など多ジャンルのエンターテイナーが審査員として肩を並べる。もちろん日本と海外とでは番組に対する視聴者の感覚、タレントやプロデューサーの社会的地位やシステムが日本とは違うので一概に、審査員同士を比べることは出来ない。

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