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狂人・松村邦洋の天才性。ビートたけしものまねを“発見”レジェンドの半生

松村の天才性をパッケージした「織田信長のオールナイトニッポン」

 自分らしい笑いが生み出せなくなった松村は、原点回帰を決意。彼の原点といえば、ものまねだ。

「時間があったので、ふと大河ドラマを見ていたら、津川雅彦さんと西田敏行さんが出ていたので、またイチからものまねの腕を磨こうと思った。録画して2人のセリフをすべてノートに書き起こして、日々研究。ビデオの音声を消して、ものまねでアテレコ。それを繰り返して完コピを目指した」(松村)

 まさに、「頑張っていれば、誰かが見ててくれる」を信じての行動だ。松村の自宅に大量のノートが保管されているのは、ファンからすると既知の事実。ドラマを何度も見返し、セリフすべてを暗記するほど研究するのだ。もはや、演じた俳優よりそのセリフは頭に記憶されている。松村は、オタクで天才。天才が努力しているから、神業が生まれる。

 大河オタクであり、歴史オタクの松村。彼の有名な持ちネタの1つに、「織田信長のオールナイトニッポン」がある。織田信長と言いつつ、そのキャラクターは完全にたけし口調のままのアレだ。

「はい! というわけでございまして、織田信長ですけどね。今日は、天正10年6月2日(信長の命日)ですけどね。いつもは有楽町のニッポン放送でオールナイトニッポンやってますけど、今日はね、スペシャルウィーク、レーティングということで、なんと、京都は本能寺にやってきました!」

「この後ね、ゲストで明智光秀がやってきますんでね。ちょっとなんか、嫌な予感がしますけどね」

「織田信長のオールナイトニッポン! この番組は、“あなたも撃ってみませんか”種子島鉄砲隊、ザビエル・イエスズ会、水と生きる高松城、“家族みんなでショッピング”楽市楽座・友の会、以上各社の協賛で全国34局ネットでお送りします」

「先週までスポンサーだった比叡山がね、スポンサー降りるっていうからね、昨日焼き討ちしといてやった、バカヤロウ。ろくなもんじゃねえよ、バカヤロウ!」

「あっ。なんか焦げ臭いよ、バカヤロウ! 光秀、バカヤロウ。入りが早いよ、バカヤロウ! あの野郎。アッチッチッチ」

 殺される前提でラジオの生放送を続ける、レーティング期間中の信長。「暑い」じゃなくて「熱い」とリアクションしている様が不憫だし、比叡山焼き討ちの顛末を軽快なフリートークで明かす信長の臨場感は最高。松村の日本史の知識が反映されており、戦国時代好きにはたまらないネタとなった。ほとんどこれは創作落語だし、松村の天才性が見事にパッケージ化された一流の芸である。

 あと、松村のセカンドブレイクのきっかけとして、掛布雅之のものまねも挙げられると思う。まさにこれは、前述した松村の“発見”能力の賜物。事実、松村がものまねし始めるまで、掛布のしゃべり方にそれほど特徴があるとは思っていなかった。でも、松村が掛布のものまねをすると完全に本人なのだ。

 特に、ラジオがやばい。声のみのラジオで松村が掛布をものまねし始めたら、まるで笑い薬を飲まされたような感覚に陥る。筆者は松村のラジオを聴きながら、掛布のものまねのせいで夜中に笑いが止まらなくなったことがあった。

 あと、過去に松村は、掛布のものまねをしながら野球評論家・青田昇へ電話し、最後までばれずに青田を騙し通したという偉業も成し遂げている。そこまで似せて、一体どうしようというのだろう?

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