日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『クロサギ』平野紫耀“チャラ崎”の破壊力

平野紫耀“チャラ崎”の破壊力! 『クロサギ』いよいよ最終章で物語は佳境へ

平野紫耀“チャラ崎”の破壊力! 『クロサギ』いよいよ最終章で物語は佳境への画像
ドラマ公式Twitterより

 King & Prince・平野紫耀が主演するTBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第8話が12月9日に放送された。父親が遭った詐欺によって家族が崩壊し、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となった黒崎高志郎(平野紫耀)の復讐劇となるこの物語もいよいよ最終章。まさに佳境と言わんばかりに、黒崎が追い詰められる展開や、黒崎の詐欺の師匠である桂木敏夫(三浦友和)との関係の変化が描かれた。

 黒崎家は6年前、御木本(坂東彌十郎)によるセミナー詐欺で多額の借金を背負った黒崎浩司(前川泰之)が、当時ひまわり銀行の子会社であるひばりファイナンスに出向していた宝条兼人(佐々木蔵之介)による導入預金詐欺に引っ掛けられて破産。失意の浩司は一家心中に及び、生き残った黒崎は詐欺師たちに復讐するため、詐欺師界のフィクサー的存在である桂木に頭を下げ、クロサギとなったのだった。

 御木本に引導を渡した黒崎は、6年前の悲劇の全貌を知り、現在ひまわり銀行で経営企画部門・執行役員を務める宝条を“喰う”ことを決める。第7話ではひまわり銀行首都中央支店の支店長・牛山彩子(山口紗弥加)に目を付け、見事3億円をだまし取った。あっさり宝条に見捨てられた牛山に、宝条の情報を渡せと黒崎が接近するところで第8話が始まる。

 牛山から、宝条が「政治家とかマスコミとか外部の力を動かすため」の裏金づくりに勤しんでいること、そのために銀行の外に思い通りに動かせる企業をいくつも抱えていることを聞いた黒崎は、牛山が「宝条帝国」と呼ぶ企業のひとつ、世田谷病院をターゲットに決める。理事長の宇佐美孝也(津田健次郎)はひまわり銀行時代の宝条の後輩で、生活保護の医療扶助制度を悪用する違法行為にも手を染め、宝条のための裏金をつくっていた。

 第8話の見どころは、宇佐美攻略のために黒崎が「アカサギ」(恋愛感情を利用する詐欺師)となった点だろう。宇佐美の妻・怜華(高田里穂)を利用するため、医療関連コンサル会社の若手社長として近づく。ホストと間違えられるチャラい姿となり、「子どもみたいな顔」をした年下のキラキラ男子でありながら、セレブ妻の苦悩を理解し、相手が本当にほしいであろう言葉を投げかけるアカサギ的なテクニックで、黒崎は怜華との距離を縮めて利用し、見事に宇佐美を絡め取った。このチャラい黒崎――“チャラ崎”のアカサギっぷりは視聴者からも大反響で、「チャラ崎降臨!」「あのチャラ崎なら騙されてもいい!」「チャラ崎やば!!遊ばれたい!!」と興奮する声が相次いで上がった。

 クロサギは「人を騙し、金銭を奪うシロサギ」「色恋を餌にするアカサギ」をターゲットとしているが、この令和版『クロサギ』ではこれまでアカサギは登場していなかった。まさか、アカサギの初お披露目が黒崎によるものとは想像していなかったが、ただのアカサギに終わらない、黒崎ならではの顔も見せた。怜華を篭絡したあと、ため息をつきながらパフェをつつき、店員から「お疲れですね」と声を掛けられると「苦手な仕事だったんで」と力なく笑う黒崎。宇佐美から10億円をだまし取り、怜華に手伝った報酬として4000万円を渡した際には、「最後にひとつだけ……」と言う怜華が顔を近づけ、目をつむってキスを待っていたら、4000万円を入れたスーツケースで殴られ、情けない表情を浮かべる。こうした演出には黒崎の年齢相応のあどけなさが感じられた。人妻の心を巧みに操りながらも、「アカサギ役は苦手」とため息をつき、悪人ではない人間にはしっかりフォローを入れる優しさも兼ね備えるギャップにより、一層“チャラ崎”が魅力的に感じられた視聴者も多かっただろう。

 第8話でも見事に宇佐美をだました黒崎だったが、“ラスボス”候補の宝条の“格”も感じられる展開となった。黒崎は牛山のときと同様に宇佐美に交換条件を持ちかけ、裏金づくりの実態がわかる証拠を渡せと迫るも、脳裏に宝条の笑顔が浮かんだ宇佐美は「全て私が自分でやった」と、黒崎の提案を拒否し、自ら罪を一人でかぶるとした。冒頭で牛山は宝条を「おそろしい人間」と形容していたが、宝条がいかに恐ろしいか、宝条帝国にいる人間はみな身に染みて知っているのだろう。

 さらに宝条は、甥の鷹宮輝(時任勇気)のおかげで、牛山と宇佐美をハメた詐欺師が黒崎であることを突き止める。桂木に「この男を野放しにしてはいけない」と宣言し、黒崎の写真を握りつぶす宝条。すると第8話のラスト、黒崎は脱税の容疑でいきなり逮捕されることに。これも宝条帝国の力なのだろうか。

 いよいよ宝条との正面対決が近づいてきた『クロサギ』だが、桂木との関係も変化しそうだ。自分が紹介した北海道のシロサギ案件に取り組むことなく、黒崎が宝条を追いかけていることを察知した桂木は「めんどくせぇ……そろそろ終わりかな」とこぼす。そして、自らの“勘”が黒崎を野放しにできないと告げるという宝条の言葉に「そういう勘には従っておくべきだな」と後押しする場面もあった。御木本に「桂木は今のお前の父親だ」と指摘され、激しく動揺していた黒崎は、ついに桂木とも対立していくことになるのだろうか。一方で、黒崎への牽制として、黒崎と親しい吉川氷柱(黒島結菜)に接近していった桂木だが、桂木が黒崎の“クロサギ”業に関わっていると気づいた氷柱が桂木の店をひとりで訪れた際には、「こんな時間にここに来ちゃダメだよ。夜は物騒だからねぇ」と忠告して去っていった。桂木の真意はどこにあるのか。

 第9話の予告映像には、黒崎が「あんたの命令には従えない」と言い放ち、桂木が「喰い合いだな」と返す場面があった。宝条との対決に、桂木との決別はどう響くのか。最終回間近の第9話、手に汗握る展開が待っていそうだ。

■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/kurosagi_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/12/16 12:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真