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『くりぃむナンタラ』新日本プロレスクイズが“間違えたら即引退ルール”で描いた大河ドラマ

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『くりぃむナンタラ』新日本プロレスクイズ企画が描いた大河ドラマ。「間違えたら即引退」の画像1
『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)TVerより

 12月25日放送『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)が行ったのは、「新日本プロレス創立50周年記念 クイズ!間違えたら即引退スペシャル」であった。

 いろいろと、おかしな座組になっている。まず、司会を務めるのは“レインメーカー”オカダ・カズチカで、アシスタントはサバンナ・高橋茂雄だ。10年前は「特にありません」しかしゃべらなかったオカダがバラエティー番組を回すなんて、隔世の感。果たして、外道がいなくても彼はしゃべれるのだろうか? 今や押しも押されもせぬエースなのに、司会者席で上半身裸のままめちゃめちゃ緊張しているのも萌えポイントである。

 一方の回答者は、くりぃむしちゅーの2人、レイザーラモンRG、勝俣州和、坂井良多(鬼越トマホーク)、神無月、ユリオカ超特Q、小池美由、そして、テレ朝アナウンサーの三谷紬と『新日ちゃんぴおん。』プロデューサーの米川宝の10人であった。

 まず、ユリオカを呼んでいる時点でガチである。間違いなく、この中で1番知識のあるプロレスファン。坂井は相方・金ちゃんがオカダと釣り仲間というアドバンテージがあるし、くりぃむは有田哲平だけでなく上田晋也もプロレスファンだったりする。そもそも、くりぃむの2人が仲良くなったきっかけはプロレスだった。しかも、以前は有田より上田のほうが詳しかったらしい。学生時代、猪木の投げた闘魂タオルをリングサイドでキャッチしたこともある“猪木派”であり“週刊ゴング派”が、上田だ。

 そして、米川Pは2000年の「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!スペシャル」で敗北を喫した橋本を復帰させるべく千羽鶴を折った、通称「折り鶴兄弟」の兄。三谷アナは新日のレスラーによるバラエティー番組『新日ちゃんぴおん。』のMCであり、今や自他ともに認めるプ女子だ。声優と結婚したオカダが、今もテレ朝の女性アナと絡めるという事実も密かに胸アツである。

 今回のコンセプトだが、プロレスファンなら誰でもわかる超簡単クイズを出題し、誰かが間違えたら回答者全員がプロレスファンを即引退する……というルールらしい。「全員が引退」というルールが理不尽すぎるし、そもそもクリスマスの夜にやるような企画なのか? 11月からABEMAで『有田哲平の引退TV』をスタートさせた有田の“引退ブーム”が引き起こした、巻き込み事故とも言える。もし本当に回答者たちが引退したならば、そのときは誰かが千羽鶴を折らないと。

 というか、「プロレス界の即引退は引退じゃないからセーフ」という深い意味が込められている気もする。

復帰するために引退する“大仁田システム”を主張する三谷アナ

「プロレスファンなら誰でもわかる超簡単クイズを出題」という説明は、嘘ではなかった。アントニオ猪木が卍固めを仕掛ける映像を流し、「この技の名前は何?」と問う問題であったり、まさに楽勝な常識クイズばかり出題されていったのだ。

 とはいえ、世代によって知識のバラつきはある。例えば、上田や神無月の知識は昭和に偏っている模様。一方、小池と三谷は令和のプロレス知識しかないようだ。

 この状況を踏まえておきたい。三谷の番に流れた問題VTRは、2000年7月30日のノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ、長州力VS大仁田厚であった。大仁田が入場時に羽織っているのは、おなじみの革ジャン。「大仁田の革ジャンの背中に書かれた漢字2文字は?」が、三谷に出された問題であった。約3年前にプロレスを見始めた彼女は、この問題がわかるのだろうか?

「大仁田の漢字2文字? ……勝利!」(三谷)

 いや、大仁田が「勝利」の2文字を背負うわけがない。当然、彼女の回答は不正解であった。

「大仁田厚が勝利を求めるわけないでしょうが。勝ち負け、どうでもいいんだよ!」(有田)

 たしかに、「俺は強くない」と公言するのが大仁田というレスラーだ。このクイズの正解は、「邪道」だった。

「皆さん、引退でーす! お疲れ様でした」(オカダ)

 番組開始5分でプロレスファン引退を余儀なくされる、回答者たち。ルールに則ると、そういうことになる。三谷は抗った。

「大仁田さんは引退引退と言って、復活してますよね? 我々だって、1回引退しても復活していいですよね!?」(三谷)

 7回引退して7回復帰……つまり、復帰するために引退する“大仁田システム”を主張し、屁理屈をこねて引退を安くしに掛かる三谷。結果、彼女の抗議は受け入れられ、全員の復活は認められた。

オカダ・カズチカがUWFルールを提案

 もう1人の令和世代代表・小池の番に流れたのは、1988年4月22日の沖縄県立奥武山体育館で勃発した飛龍革命の映像だった。連日、メインイベントでビッグバン・ベイダーと闘う師・猪木に対し、「ベイダーと闘わせてください!」と藤波辰巳が涙声で訴えた、歴史に残る名場面である。

猪木 「やれんのか、本当にお前!」

藤波 「○▲✕■!(聞き取り不可能)」

 お互いに張り合った後、道具箱から何かを探し始めた藤波。「この後、藤波は何をした?」が、小池に出された問題だ。

「え? ……私服に着替えた!?」(小池)

 違う。正解は、「ハサミを持った藤波が前髪を切った」だ。

「このテンションで私服に着替えへんやろ」と、小池にツッコむ高橋。いや、普通、このテンションでは髪も切らないだろうに……。ドラゴンヘアカットという奇行に走る藤波を見て、「待て待て待て」とさすがに止めに入った引き気味の猪木。いわば、これは父に反抗する息子の構図だ。

『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも散々こすられた歴史的事件だが、小池はわからなかった様子。つまり、これでみんな引退決定だ。

「ただ、悪あがきするわけじゃないですけど、私服にも着替えてますからね、このあとに。バツとは言えないですよ。ブーっていうことは、藤波さんはまだタイツ一丁でいることになるからね。あれから30~40年、ずっと着替えてないってなっちゃうから」(有田)

 ものすごい屁理屈を言い出し、長州ばりに答えの「カタチを変える」クレーマー・有田。さらに、またもや三谷が物申した。

三谷 「これ、パスできないですか? (答えるのが)無理だとなったときに」

オカダ 「パスというか、プロレスですから目の前にあるロープを触ってもらえれば」

 オカダが提案したのは、わからない問題が出た際はロープエスケープ3回までOKという新ルールである。エスケープの回数に制限をつけるなんて、まるでUWFみたいだ。

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