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ドラマ『インフォーマ』制作発表試写会に連なる「戦友3人の物語」

文=沖田臥竜(おきた・がりょう)

『インフォーマ』公式サイトより

1月19日からテレビ放送が開始されるドラマ『インフォーマ』。それに先立ち、マスコミ向けの制作発表試写会が行わるが、原作小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)を執筆した作家の沖田臥竜氏も主要キャストに加わり登壇するという。そこで、沖田氏は「自己紹介だけで2分はしゃべる」と制作サイドに宣言。本気か? 冗談か? この言葉に行き着くまでに、どんなストーリーがあったのか。沖田氏による特別エッセイ――。

足りなくなった制作費2000万円争奪戦⁈

 1月14日、ドラマ『インフォーマ』制作発表試写会が行われる。

 登壇するのは、飛ぶ鳥を落とす勢いで映像界を牽引する藤井道人監督と主演の桐谷健太さん。桐谷さんの相棒役を務める佐野玲於さんと、物語には欠かせない敵役として登場する森田剛さん。そして私の5人である。

 一般人に対して、「この5人の中でもし1人いらないとするならば誰か?」とアンケートをとれば、考えるまでもない。ぶっちぎりで私だろう。

 何も自虐ネタではない。私はそういう立ち位置こそ大好きなのだ。呼ばれてもいない同窓会に、主役のようなテンションで颯爽と登場する自分を想像するだけで、申し訳なさ半分と嬉しさ半分で私の心は満たされるのである。嫌ではないか。しょせん、私だぞ。チヤホヤされる場所など、くすぐったくて大嫌いだ。

 ただ、私が凡人と違うのは、自分の立ち位置を的確に把握していながらも、間違っても遠慮などはしないところだ。もちろん同じ登壇者の方々には、迷惑をかけないように万全な配慮を怠らないが、主催者の関西テレビ陣営には、「本当に呼ぶんじゃなかった……」と笑ってくれるくらいは、扱いづらいことを言うのである。それは、完成試写会での「別に…」発言で物議を醸し出した沢尻エリカさんをも凌駕するだろう――。

 まずことの発端は、ある嫌味から始まった。カンテレのプロデューサーの豊福さんは、私が喜ぶと思って善意で、私に声をかけてくださった。

 「沖田さん! すいません! 制作試写会を行うのですが、藤井さんと桐谷健太さんと佐野玲於さんと森田剛さんと沖田さんに登壇してもらいたいのですが、みなさんのスケジュール的に14日しか空いてないんです!お越しいただくことは可能でしょうか?」

 すごい面子である。普通ならば、他の仕事をキャンセルしてでも喜んで!となるところだが、身分をわきまえない私はそうはならない。

 「ほう~全員のスケジュールを確認して、最後にオレに確認してきたということは、オレのスケジュールは聞く気がなかったということやな。この話、いつから動いてたん?」

 まさかのリアクションに、カンテレのプロデューサーの豊福さんは困惑の声色で応えた。

 「先週からです…」

  「ふ~ん。じゃあ、ジョニーはこのことを先週の時点で知ってたいうことやな」

 ジョニーとは、これまでわたしがかかわった映画『ヤクザと家族』、ドラマ『ムショぼけ』、そして今回の『インフォーマ』で制作を担当してくれた気心の知れたプロデューサーのことである。

  「特段、(会見には)呼んではいませんが、伝えてはあります……」

 戦いの火蓋の幕はぶった斬られた。

 「あ~あ、そうなんや。かまへんで~。喜んで行かせてもらうがな~」

 豊福さんの電話を切ると、私はジョニーに電話を入れた。

 「あれか、先週から試写会の話を知ってて、あれだけ、『何かあれば連絡してきてくれよ~』てゆうてたのに、そんなことをするんや~へえ~」

 もちろんすべて、気心知れた相手に対する、私なりのギャグである。

 ただ、内輪話をすると、『インフォーマ』を完成させるにあたっては、カンテレが想定していた制作費を2000万円ほどオーバーしていたのだ。この金額は、ジョニーが率いる制作会社ラトロンがかぶることになり、撮影スタッフの報酬額に関しても、カンテレとラトロンの間で激しいつばぜり合いを繰り広げていた。

 そんな中で、小芝居を打ち『インフォーマ』をマンガ化にして、そのロイヤリティで制作費の穴埋めを少しでもしようと、私に許可を求めてきたのは、ジョニーであった。しかし、私はマンガ化について、過去にマンガの原作をやったばかりに嫌な思いをさせられことがあったので、それには消極的だった。

 だが、そもそも、この御願いごとをされたときの地元の後輩がやっている焼肉店「じゅん亭」の食事代も私の負担だった。遡れば、カンテレにインフォーマの企画書を持っていき、カンテレの友人を2度3度と食事に誘いそこの支払いも私である。尼崎のロケハンにくるたびに、スタッフたちの弁当代や食事代を出してきたのも私である。それが偉いのではない。私の作品を映像化しようとしてくれているのだ。それは銭金では決してできないことで、私にとっては当たり前のことだった。

 「わかった。まずスタッフの給料はちゃんと払ったり。オレはマンガの原作料はいらんから、そっちで好きなようにやってくれたらええで~」

 ジョニーは目を輝かせていた。

 「すぐに動きます!」

 私は出版業界で仕事している身だ。映像界の人々が考えているほど、マンガ化がたやすく決まらないことは知っていた。そして案の定、ジョニーは最初に交渉をもっていった媒体でズタボロに門前払いされて、おめおめと撤収してきたのである。仕方あるまい。そこから私が引き受けたのだ。

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