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『関ジャム』2022年ベスト10が重視したのは「バズり」!

J-POPはガラパゴスのまま海外に通用するか?

 番組のエンディングで、蔦谷は総評した。

「2020年以降、コロナもあってもっと多様化していくかなと思ったら、より日本のガラパゴス化が進んでいると思って。でも、それは悪いことじゃないと思います。例えば、セカオワの『Habit』は世界中で再生されているんですよ。あんな音楽、世界中にないから! だから、誇りに思ったほうがいいと思います、J-POP」

「韓国の音楽が韓国語のままアメリカでヒットするように、日本の曲が日本のスタイルを変えないまま、海外でヒットするような時代もそう遠くはないんじゃないかなと思います」(蔦谷)

 ガラパゴスであるがゆえ、他にはないユニークな音楽としてグローバルに通用する……ということだ。日本語で歌われるシティポップが海外でヒットしたのは、まさに好例。同じような形で、J-POPが海外に認知されることを蔦谷は期待している。

 

 さて。今年の結果を見ると、少し予想とは違うランキング内容だった。藤井風もVaundyも、ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)の主題歌だったMirage Collective「Mirage」もランクインしていない。

 では、選者が有望株に唾を付けるべく、青田買い的なランキングになったかというと、そうでもなかった。各々が何を重視し、選出していたかというと、「バズった!」「何億回再生!」などである。それらの結果が先行する、SNSバズ(TikTok発)のアーティストばかり登場した印象。蔦谷やいしわたりといった目利きが、その手のミュージシャンを率先して選んでいたのだ。

「この企画で取り上げられる新人をチェックしたい!」「このランキングで取り上げられる前に、有望株をチェックしたい!と考える視聴者からすると、その傾向は少し肩透かしだった気がする。加えて、選者たちも多くの音楽を聴きすぎて、判断基準がブレてきた印象もある。それとも、2022年は不作だったか? 年始恒例のランキング企画だが、正直、今までで最も響いてこない内容だった。

身も蓋もないことを言えば、音楽は他人からレコメンドされるのではなく、自分でディグるのが1番楽しい。そんな基本中の基本を再認識させる、今回の『関ジャム』だった。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2023/02/05 20:00
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