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かまいたちのツッコミが絶妙！『ぜにいたち』心霊企画の“ガチさ”が生む笑い

2023/02/17 13:00

かまいたち 吉松ゴリラ

かまいたちのツッコミが絶妙！『ぜにいたち』心霊企画のガチさが生む笑いの画像1 — 「番組公式サイト」より

「おもしろいものを作る」を目標に日々切磋琢磨している若手芸人。当然彼らが同業者のお笑いを見るとき、その目線は必然厳しくなる。そんな芸人間で流行る番組は、掛け値なしにおもしろいと言っていい。この企画は現役の芸人をゲストに呼び、「最近芸人が一番笑った番組」を紹介してもらう対談企画である。

　今回のプレゼンターは、芸歴12年目の芸人Aさん。

ぜにいたち！心霊ゴーストアベンジャーズ！

Aさん　ぼくが最近一番おもしろかった動画は、「ぜにいたち」の「心霊ゴーストアベンジャーズ」シリーズです！

ゴリラ　ぼくも見てるんだけど、めちゃくちゃおもしろいよね！「ぜにいたち」の中でも視聴数が爆上がりして、一気にメイン企画になった。

Aさん　そうなんだよね。「ぜにいたち」は、「Abema TV」で毎週放送されているバラエティ番組。この番組内のイチ企画として放送されているのが、「心霊ゴーストアベンジャーズ」。毎回、霊が出ると噂されるトンネルや廃病院に行き、「心霊ゴーストアベンジャーズ」が除霊を試みるというもの。メンバーは、「降霊術・ヒーリングを行える」という霊能力者1名と「自作のオリジナル銃で霊を水に捕獲できる」という科学者1名、そして「水に封じ込められた霊を飲み干す事で除霊ができる」というモダンタイムスの川崎さんの3名。

ゴリラ　この時点で、もうおもしろいんだよね（笑）。

Aさん　この企画の魅力は、「除霊」というアングラなテーマに、本人達が大真面目に取り組んでいる所。降霊術を行う霊能力者はもちろん、「自作のオリジナル銃で霊を水に捕獲できる」という科学者も、本当に「自作の銃で霊が捕獲出来る」と信じてる。懐疑的に見るぼくらとの温度差が、そのまま笑いになっていく。

ゴリラ　「オカルト」という、検証しようがないテーマだからこそ出来る企画だよね。「心霊ゴーストアベンジャーズ」が本当に除霊をしているかもしれないし、本人達が言い張ってるだけかもしれない。そのどちらとも言い切れない、絶妙なテーマ。

Aさん　ただ懐疑的な立場で見るぼくらからすると、VTR中に彼らが真顔で語る言動がいちいち理解不能。そもそも除霊の根本である「水に封じ込められた霊を飲み干す事で除霊ができる」という部分からして意味不明。彼らのそういった謎の説明部分に、かまいたちさんがガンガンツッコミを入れる事で、爆発的な笑いを作っている。

ゴリラ　そういうバラエティなのかと思えば、ちゃんと心霊番組の側面もあるんだよね。撮影中にラップ音が鳴ったり、スタッフが倒れたり。正直、ぼくは未だにどう見たら良いかよく分かってない（笑）。「怖い」と「おもしろい」が交互にくる。バラエティなのかホラーなのか、ジャンル分けができないおもしろさがあるんだよね。

心霊ゴーストアベンジャーズの魅力！

ゴリラ　この企画の魅力は、「状況設定」と「キャラクター」の掛け合せだよね。実際よく見ると、「状況設定」としてはちゃんと怖い。少なくともVTR上では心霊現象が起こっているし、それは他の心霊番組にも負けていない。しかしその「状況設定」の中に、「濃い言動を繰り返す3人の登場人物」を入れる事によって、強制的にバラエティにしている。最高の「緊張と緩和」を作れている掛け合わせ。

Aさん　そしてその「登場人物」の人達も、ふざけている訳ではない。我々の目線から見るとおかしな言動も、彼らからすれば全てガチ。「状況もガチ」なら「登場人物達もガチ」。ある意味「バラエティを持ち込まない事」で、「バラエティを作っている」。

ゴリラ　VTRのレベルも抜群に高いよね。笑いどころを押さえた編集が成されているし、テロップのセンスも良い。だから、ワイプのかまいたちさんがいなくても、番組として成立するくらいおもしろく仕上がってる。

Aさん　その上で、かまいたちさん達のツッコミが絶妙なんだよね。ちゃんと「除霊」というものに対して懐疑的なスタンスからくるツッコミは、VTRとの温度差も相まって、全て笑える。

ゴリラ　だけど100％否定しきっている訳でもないから、VTRに対してどこか一定の信憑性も持ち続けられる。「“視聴者の代弁者”としてのポジショニング」と「“MC”としてのポジショニング」のバランスが最高。

Aさん　「状況設定×キャラクター×かまいたち」という掛け算が、最高点を叩き出してる企画なんだよね。ちなみに「ぜにいたち」では、この他にもおもしろい企画がたくさんあります。アーカイブもありますので、是非みなさま、ご視聴ください。