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駅伝女子選手を撮影した教師が逮捕…「アスリート盗撮」の闇深い実態

駅伝女子選手を撮影した教師が逮捕…「アスリート盗撮」の闇の深さの画像1
画像はイメージです(Getty Images)

 今年1月に開催された都道府県対抗駅伝で選手を撮影していた小学校教諭の男が7日、京都府警に盗撮容疑で逮捕。男は選手の下半身を執拗に撮影していたとのことで、容疑を認めているという。

「近年、女子アスリートを悩ませているのが盗撮問題。競技によっては露出度が高いものもあり、そういった競技の選手を狙う者もいますが、さらに悪質な例では赤外線カメラを使ってユニフォームを透かし、下着や体を盗撮する例もあります。今回、盗撮犯が逮捕された駅伝大会では府警が予め警戒にあたっており、準備運動をする選手や、たすきを渡して倒れ込む選手ばかり撮影していた男が逮捕されました」(週刊誌記者)

 努力を続ける選手を性的な目線で見る神経には呆れ果てるばかり。卑劣な犯行は許せないが、そこには陸上競技特有の事情もあるようだ。

「機能性を追求した結果、どうしても露出は高くなってしまう。陸上競技は基本的に空気抵抗との戦い。体にウェアがフィットすればするほど抵抗は減らせますが、女性は胸があるため、胸からお腹にかけて隙間が生まれやすく、それを解消するためにセパレート型のウェアが一般的になりました。しかし中学や高校の陸上部では、おへそやお腹を出すユニフォームが恥ずかしいという理由で生徒が入部を拒んだり、クラブを辞めてしまうケースもあるようです」(フリーのスポーツライター)

 駅伝大会の盗撮で逮捕された男のパソコンからは数万枚の画像が見つかっており、過去には動画を販売して逮捕された例もある。真っ先に守られるべきは選手だが、我が子や友人などの競技の模様を撮影しても逮捕されるリスクもあるということなのか。

「スポーツウェアメーカー各社は、赤外線カメラを使った盗撮に対応した“透けないユニフォーム”を開発しています。しかし費用などの問題で、全員が着用するのは不可能。下半身を撮影したり、胸の谷間などを狙っていた場合、いくらでも言い逃れが可能で、摘発のハードルは非常に高い。駅伝やマラソンの場合、今回は逮捕にこぎつけましたが、コース全体にわたって監視のための人員を確保するのは非常に困難です。

 ですがこれはスポーツ界をあげて取り組むべき問題で、ルールの制定や法制化の議論は活発に行われています。盗撮画像を売買するような確信犯は問題外ですが、昨今はスマホの普及で盗撮が手軽になっています。たとえ盗撮の意図がなくても、競技会場においてカメラの使用が全面的に禁止されるような形で議論が着地する可能性も十分にあり得るでしょう」(同上)

 一部の卑劣な盗撮犯のために、まっとうに応援する大多数の人々が迷惑を被ることになるうが、何よりも選手を守るためには、仕方のないことなのかもしれない。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2023/03/15 06:00
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