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テレ東『大食い王決定戦』には批判も…フードファイターたちの“大人の事情”

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Getty Images

 あの人気番組が久々に帰ってきた。5月4日、テレビ東京の『最強大食い王決定戦』がおよそ3年ぶりに放送され、国内外から選りすぐりの強豪が集結。アンジェラ佐藤、らすかる新井、はらぺこツインズ・小野かこ・あこ、世界ナンバー1の異次元女王・モリーらが揃ったが、ほぼノーマークだったYouTuberの河田大志が優勝を飾った。

「テレ東の大食い王決定戦は30年もの歴史があり、現在も年1回ペースで放送されています。ただ、ここ数年は女王戦ばかりで、最強の大食いを決める男女混合戦は3年ぶり。国内のみならず海外からも挑戦者を集めた甲斐があって、ハンバーグを9kg以上食べたらすかる新井が1回戦で敗退するなど、異常にレベルが高い大会となりました。

 優勝した河田は、1回戦で親子丼23杯の記録を出してトップ通過すると、準決勝ではあの伝説の大食い女王・女王・赤阪尊子もチャレンジした超ロング細巻きにトライし、約13mも食べてこちらもトップでクリア。モリーに日本人初勝利を上げると、その勢いのまま決勝でラーメン29杯をたいらげ、完全優勝を成し遂げました」(テレビ情報誌記者)

 一方で、今回はSNS上で「食材のムダ」「これだけコンプラに厳しいのに、大食いは許されるのか」などの声も噴出。炎上とまではいかないが、一部でネガティブな意見があったことも事実だった。

 さらにその裏では、大食い戦士たちの間で複雑な駆け引きが展開されている。

「今回は強豪が集う一方で、もえあず、MAX鈴木などは出場しませんでした。過去に大会で良い結果を残したのに、すっかり番組から姿を消した人も少なくありません。

 というのも、近年では大食い番組に出る人はほぼ全員YouTubeをやっており、名前が売れた人はもう番組に出る必要がない。YouTubeで十分に稼げますし、ヘタに大会に出て負けたら、名声に傷がつくだけですから、そういった意味では、番組は“踏み台”です。

 一方、名前と顔を売りたい人にとって、『大食い王』ほどうってつけの番組はありません。ただ、とにかく注意しなくてはいけないのが食べ方です。昨今は食べ方が汚いと批判が殺到し、どれだけ番組で爪痕を残してもYouTubeの登録者数は伸びない。ですから、名前を売るのが目的の出場者は、勝負は二の次で“なるべく綺麗に、たくさん食べる”のを目指すことになります。

 フードファイターの中には“出禁”を喰らう人もいます。モノマネ界にも同じルールがあるようですが、フードファイターには、あるテレビ局の番組に出ると、他局の番組に出られない暗黙のルールが存在します。要するに囲い込みですね。実際、“背信行為”を行ったために完全に存在が抹殺されたフードファイターもいます」(フードライター)

 食べることだけに集中すればいいかと思いきや、いろいろと頭を使うことも多い大食いの世界。今回は、制作側にもいろいろな苦労が忍ばれた。

「かつて『大食い王』はさまざまな場所を巡り、その地方の特産物を食べるスタイルでした。でも、今回は移動が減り、メニューも飲食チェーン店のものばかりでした。チェーン店なら均一の味と量のメニューを滞りなく提供できますし、企業名を出す代わりに商品を提供してもらうこともできる。コロナが完全に終わったわけではないので、地方を巡るのが難しかった事情もあったでしょう。

 地方の特産物での対決となると、好き嫌いが分かれるメニューになりがちだということもあります。某有名フードファイターは、一番食べづらいメニューを問われ、『熱い、辛い、固い、脂っこいなど、いろいろと難しいメニューはありますが、一番イヤなのは“マズいもの”。どんなに頑張っても、マズいものだけは食が進まない』と答えました。地方対決ではオペレーションが悪くなり、対決に支障が出るようなトラブルも起きがち。大食い番組はずっと同じことを繰り返しているように見えますが、常にブラッシュアップされています」(民放バラエティ番組制作関係者)

 とにかく多く食べたほうが勝ち──こんなにシンプルな番組もめずらしいが、その裏側を聞くだけでもゲップが出てしまいそう?

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/05/09 20:00
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