「ジャにの」お祝い動画が炎上？「貧困層を見世物に…」と批判のワケ

　嵐・二宮和也を中心としたYouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」が開設2周年を迎え、新エンディングムービーを公開。アフリカのガーディアンを起用した内容が、ネット上で「人種差別に加担しているのでは？」などと物議を醸している。

　5月21日に公開された動画「#237【2周年!!】私財を投げて自分達で祝おうかとなった日」の序盤、二宮は外国人が出演するオリジナルサプライズ動画が作れるサービス「世界からのサプライズ動画」のホームページを、Sexy Zone・菊池風磨とHey!Say!JUMP・山田涼介に紹介。3人で話し合いながら、ザンビア共和国のガーディアンに言ってほしいお祝いメッセージなどを決定した。

　そして動画の後半では、二宮、菊池、KAT-TUN・中丸雄一が、完成した動画を鑑賞。ザンビアにいる出演者8人が出演し、カタコトの日本語で「にのちゃん、山ちゃん、風磨ちゃん、中丸、ジャにのちゃんねる2周年おめでとう」と言っている内容で、3人は「最高だね」「陽気な感じ」と盛り上がっている。

　同動画のコメント欄には、「めっちゃ面白い。エンディングになるたび笑っちゃう」「このお祝い動画、めちゃくちゃインパクトありますね。素晴らしい」と好意的な声が続出。

　一方で、「ちょっと調べたら、いろいろ問題点が指摘されているとわかるものを無邪気に取り扱っちゃったこと、周りにストップをかける人がいないのが本当に怖い」「お金に困っている日本人が、海外の富裕層のために、芸者や侍のコスチュームを着て陽気に誕生日祝いのメッセージを外国語で言いながら踊ってる動画を見たら、日本人はどう思うのかな」と疑問視する声も散見される。

　さらに、二宮の公式個人Twitterにも「楽しい動画をありがとう。国際色豊かになった」「二宮くんたちが使ったこのサービスは人権や運営の観点で少々問題になっています」などと、賛否両論が寄せられているようだ。

　今回、二宮が利用したのは「MIYABI INTERNATIONAL INC.」が運営するサービスのようで、たとえば「メッセージ読み上げ」「銃の発砲」「ダンスパフォーマンス」が含まれる「ザンビア　ガーディアンからのサプライズ動画（銃発砲6発付き）」は、税込9130円で販売。公式サイトには、「ザンビアのガーディアン」以外にも、「アフリカの部族」「マラウイのギター隊」「ウクライナのセクシー美女」といった商品も並んでいる。

　また、商品の説明ページには、「アフリカの大多数の人々は十分な収入が得られず、貧しい暮らしを余儀なくされています。あなたからのご依頼によって、貧困に喘ぐ彼等やその家族たちは貴重な収入を得ることができます。ぜひ彼等に、『あなたのサプライズメッセージ動画に出演する』という仕事を与えてあげて下さい。そして食べ物を、水を、薬を…」という文言も。どうやら、ただの動画サービスではなく、慈善事業としての側面を持っていることを強調しているようだ。

　なお、類似したサービスは複数あり、中でも『スッキリ』（日本テレビ系）など日本のメディアに多く取り上げられた「一般社団法人WORLD SMILE」が提供する「世界からのサプライズ動画」が有名。

　この手のサービスは、もともと中国が発祥と言われているが、以前から「カタコトの日本語が面白い！」と好意的に受け取る人がいる一方で、「貧困層を見世物にしている」と問題視されているのも事実。

　今回、「ジャにのちゃんねる」がどのような経緯で「世界からのサプライズ動画」を利用するに至ったかは不明だが、動画が公開されたということは、少なくともジャニーズ事務所からストップはかからなかった様子。

　ただ、同事務所といえば、ジャニーズ事務所前社長・ジャニー喜多川氏（19年に死去）の性加害問題が取り沙汰され、タレントの人権問題に直面している最中。ゆえに、今回の騒動と結びつけて「ジャニーズ事務所の人権問題への無関心ぶりが、またもや露呈した」と批判する声も出ているようだ。

　昨年8月に放送されたチャリティー番組『24時間テレビ45』（日本テレビ系）でメインパーソナリティーを務めるなど、好感度抜群なジャにのメンバー。今後、ザンビアの人々が出演する動画を、動画のエンディングに流すことはあるのだろうか。

仲宗根由紀子（エンタメ系ライター）

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

なかそねゆきこ