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不動産価格の高騰、ついに潮目がきた!不幸にならない再開発の街購入(下北沢&明大前編)

下北沢VS明大前、買うならどっち? 再開発の内容とマンション相場でじっくり比較

6.マンション価格の推移と比較

明大前駅周辺のマンション
明大前駅周辺のマンション

●6-1.駅別中古マンション価格に関するデータの推移

 東京カンテイが発表している、駅別中古マンション価格に関するデータを基に、直近5年間の『下北沢駅』と『明大前駅』に関するマンション価格の推移を比較していきます。

東京カンテイ
※参照:東京カンテイ

 データを確認すると、直近5年間で下北沢駅が48万円/坪(約15%)、明大前駅も21万円/坪(約8%)上昇していることがわかります。

 下北沢駅は、まさにこの直近5年で再開発が大きく進んだことが、価格推移に表れています。また、駅前広場の開発も続いていることから、しばらくは上昇傾向が続いていくことが予想されます。

 一方の明大前駅は、2021年までは下降気味でしたが2022年に大きく上昇しました。高架化が完了する2030年に向けてどのように変化していくのか注目です。

●6-2.マンション専業各社のファミリー物件の単価比較

 このように堅調に推移している下北沢駅と明大前駅の住宅価格ですが、さらにいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。

 いったん、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。

 まず、大手仲介サイトであるホームズでは、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70平方メートル前後の中古マンションの平均価格は、下北沢駅が5,899万円(279円/坪)、明大前駅が6,090万円(288万円/坪)でした。

 次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジンでは、下北沢駅が平均価格7,503万円(354万円/坪)、明大前駅が平均価格5,616万円(265万円/坪)でした。

 他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチでは、下北沢駅が平均価格5,794万円(274万円/坪)、明大前駅が平均価格3,243万円(153万円/坪)でした。

 最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産では、下北沢駅が平均価格5,153万円(243万円/坪)、明大前駅が平均価格5,023万円(237万円/坪)でした。

 ちなみに、どの相場も2023年5月末時点の数字です。

 上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(下北沢駅5,615万円、明大前駅4,785万円)を単純に比較すると、中古マンションと新築では、下北沢駅が約33%、明大前駅が約17%の乖離(かいり)がありました。

 どちらも将来の家族構成や職場の変化など、万が一マンションを売ることになったとしても、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が安心だと思います。

7.住宅街や商業地の地価の推移とその比較

 次に、各駅周辺の地価を確認していきます。

 以下のグラフは、商業地域に区分されている『世田谷区5-4(下北沢駅)』と『世田谷区5-14(明大前駅)』、住宅地に区分されている『世田谷区-96(下北沢駅)』と『世田谷区-80(明大前駅)』のデータを基に、2013年から2022年までの価格を表したものです。

国土交通省地価公示・都道府県地価調査
※参照:国土交通省地価公示・都道府県地価調査

 まず、下北沢駅周辺の商業地の地価推移を見ていきます。

 2013年から着実に地価が上昇し、10年間で約103万円/平方メートル(56%)価格が上がっていることがわかります。

 一方、明大前駅も10年間で約23万円/平方メートル(32%)価格が上がっています。

国土交通省地価公示・都道府県地価調査
※参照:国土交通省地価公示・都道府県地価調査

 次に、下北沢駅周辺の住宅地の地価推移を見ていきます。

 こちらも商業地と同じく2022年まで地価が上昇し、10年間で約20万円/平方メートル(37%)価格が上がっていることが分かります。

 明大前駅は、2018年から2022年の5年間でのデータになりますが、約5万円/平方メートル(12%)価格が上がっており、緩やかに上昇傾向です。

8.下北沢駅と明大前駅のマンションデータの比較まとめ

 今回は、共に再開発が進んでいる下北沢駅と明大前駅を比較してみました。

●8-1.下北沢駅周辺の不動産は?

下北線路街に開業したマスタードホテル下北沢
下北線路街に開業したマスタードホテル下北沢

 下北沢駅は、先述の通り、小田急線の地下化により2013年から駅の乗降客数が落ち込んでいますが、『下北線路街』の開業、さらにコロナ禍の終息が拍車をかけ、今後の盛り上がりに期待が持てます。実際にマンション価格や地価も上昇傾向にあります。

 生活面でも、個性豊かな街である一方、現在進行中の駅前の開発も進み、交通アクセスやファミリー層のことも考慮された街づくりがされているため、今後も目が離せません。

 ただ、一部の地域では災害により浸水被害に遭うことが想定されているため、注意する必要があります。購入する際はハザードマップを確認し、地域を慎重に見極めるようにしてください。

●8-2.明大前駅周辺の不動産は?

「京王線連続立体交差事業」の着工予定現場
「京王線連続立体交差事業」の着工予定現場

 明大前駅は学生街として有名なため、あまりファミリー層に注目されていないイメージでした。しかし、実際に現地を歩いて見ると、青春の甘酸っぱさが残るディープな雰囲気、そして、リーズナブルなお店が充実し、魅力的な街だと思いました。

 地価やマンション価格は、上昇傾向ではあるものの、現在下北沢駅ほどの上昇率ではありません。2030年に完了を予定している高架化に向けて、これから少しずつ上昇していくことが予想されます。

 高架化や道路の整備による周辺の街づくりによって、利便性やデザイン性が増すと、住む街として、さらに魅力が出てきそうです。

 直近の駅の乗降者数は増加傾向にあり、何よりも渋谷や新宿、吉祥寺へのアクセスが抜群の駅であることからも、まだ価格が他のエリアより抑えられている今、物件を購入するのは悪くないかもしれません。

相樂 喜一郎(不動産鑑定士補/宅地建物取引士/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/公認 不動産コンサルティングマスター。)

株式会社リビングイン代表取締役。不動産鑑定士補/宅地建物取引士/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/公認 不動産コンサルティングマスター。外資系証券、大手不動産会社を経験し、2013年の設立以降、リビングインでは人生をもっと謳歌するため、10年後、20年後の経済的な自由の獲得に向け、中長期でインカムゲインだけでなく、キャピタルゲインも得ることを目的に正しい再開発を行うエリアの再生物件に集中し、これまで、高輪や方南町、上板橋、千川・要町、渋谷エリアの再開発に伴う投資をお客様向けに紹介し、不動産投資と運営をサポート。プライベートでは、大地震を経験し、家族ともっと一緒に居られる時間を作るため、2011年より、株式投資で作った資金を活かし、東京23区内の再開発・道路拡張予定にある不動産と、国内12カ所で太陽光発電施設を運用し、総資産を6.9億円、年間総収入7,300万円まで成長(2022年12月末時点)宅地建物取引業 東京都知事(2)第96307号 賃貸住宅管理業 国土交通大臣(2)第2733号 一般不動産投資顧問業 国土交通大臣 一般 第1309号

東京、これから買える街

【失敗で安心をつくる、株式会社リビングイン】

さがらきいちろう

最終更新:2023/07/15 09:00
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