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朝倉未来、BDは絶好調でも試合は完敗…魔裟斗や前田日明は「格闘技専念」のススメ

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朝倉未来

 格闘家の朝倉未来が代表を務める、“1分間最強”を決める格闘技イベント『BreakingDown』の勢いが加速している。YouTubeで公開されたオーディション動画にボブ・サップやジェロム・レ・バンナらレジェンド格闘家たちが次々と登場し、格闘技ファンが盛り上がっているのだ。その一方、朝倉自身は7月末に開催された『超RIZIN.2』で衝撃のタップアウト負けを喫しており、格闘界の大物たちから「格闘技に専念すべき」との声が続々と上がるなど、大きな岐路に立たされている。

 『BreakingDown』は、1分1ラウンド制で最強を決める超短期決戦型の総合格闘技エンターテインメント。現役の格闘家から街の喧嘩自慢、元アウトローまでプロアマ問わず個性豊かな出場者が登場し、飯田将成、こめお、10人ニキ(鈴木大輔)、勾配ニキ(信原空)ら数々の人気者を生み出した。興行規模はプロ格闘技興行に匹敵するレベルに達しており、数々の因縁が勃発する出場者オーディションは大会前にYouTubeで公開され、1000万回再生クラスを連発するなど非常に人気が高い。

 今月14日、26日に開催される『BreakingDown9』のオーディション動画第5弾が朝倉のYouTubeチャンネルで公開され、格闘技ファンを驚愕させた。今大会は欧州勢が参戦することになっており、朝倉から「海外勢の代表として選手を連れてきてくれた」と紹介され、K-1全盛期のレジェンドであるピーター・アーツとアーネスト・ホーストが姿を見せた。さらに、次回予告では朝倉が「すごい人ですね。何でここにいんの?」と驚く場面があり、『K-1 WORLD MAX』の初代世界王者として知られるアルバート・クラウスが登場。サプライズはそれで終わらず、アーツが「もっと強い選手を連れてきた」としてボブ・サップとジェロム・レ・バンナを呼びこんだ。

 サップは“150kgラガーマン”ことノッコン寺田とつかみ合いの乱闘になり、バンナが韓国勢のキム・ジェフンに蹴りを入れるなど波乱の展開に。クラウス、サップ、バンナはオーディションに参加したとみられ、試合出場の可能性をうかがわせた。いずれも峠を越した選手ばかりとはいえ、ビッグネームである彼らがリングに上がるとなればファイトマネーは相当な高額になるだろうが、それが可能なくらい現在の『BreakingDown』は資金力があるのだろう。

 『BreakingDown』の勢いを感じさせる動画だったといえるが、代表を務める朝倉は現役のプロ格闘家でもある。7月30日に開催された『超RIZIN.2』では、空位となったフェザー級王座を懸けてヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)と対戦し、わずか1ラウンド2分41秒で裸締めによってタップアウト負けとなった。

 戦前は「朝倉優勢」の評が多く、ファンはついにめぐってきた王座獲得のチャンスに期待を寄せていたが、朝倉は打撃でもグラウンドでもいいところなく完敗。負けた直後は茫然自失となり、試合後のインタビューでも「今の気持ち? 特に何もないです。言葉がない」と答えるなどショックを隠し切れない状態だった。

 この結果に対して、元K-1世界王者の魔裟斗は「俺も自分で経験あるけど、格闘技1本でやってる奴は強いよ。レベルが上がれば上がるほど、(上に)行けば行くほど、いろんなことやってたら勝てないよ。いろんなことやってるじゃない、未来くんはさ。そこで一番になれるほど甘い世界ではないね」と苦言。ケラモフとの実力差は大きかったと評したうえで、「続けるなら、本当にいろいろ捨ててチャンピオンになる覚悟でやらないと難しいよね」と助言した。これについては「同時に複数のことを高いレベルで実現できる人もいる」といった反論の声もあったが、実際に「世界を獲った男」である魔裟斗の言葉は説得力があるように思える。

 朝倉を長く見守ってきた元格闘家の前田日明氏も、魔裟斗と同意見のようだ。前田氏は7日にフリーアナウンサー・田中大貴のYouTubeチャンネルに投稿された動画に出演し、朝倉の敗因を分析。戦前から「3対7で未来が不利」と断言していた前田氏は、「あれは未来の準備不足。プロのアスリートとして、そういう準備とかできるような生活をしているのか」とバッサリ切り捨てた。

 さらに、前田氏は「BreakingDownを動かして、他に会社を5つも6つもやっていて(試合の十分な準備なんて)できないですよ」と指摘し、自身も格闘技団体「リングス」の代表を務めながら選手としても闘っていた経験を踏まえて、「俺は1個の団体のトップに立って、資金面とか外国人のブッキングとか全部やってましたけど、そういうのは大変。無理ですよ」と実感を込めて語った。

 また、朝倉はサウナや風呂で大量の汗を流して水分を排出することで計量前日などに体重を一気に数キロ落とす「水抜き」という減量法を実践しているが、前田氏はこれについても「アホなことやってるでしょ。あんなの(身体が)動くわけないじゃないですか。カリウム不足になって、ミネラルバランスがおかしくなるから筋力が出ないです」などと完全否定。そうした“愛のムチ”を振るった一方で、減量や筋力トレーニングなどでそれぞれ専門家に指導を仰ぐべきだと助言しつつ、「いい薬になりましたよ。ここでチャンピオンを獲るまでやめられないと思ってくれたら。金は持ってるんだから、そういうのに投資して」と激を飛ばした。

 2020年に斎藤裕に判定負けした時や、2021年にクレベル・コイケに一本負けした時も同様の意見が噴出していたが、今回は魔裟斗や前田氏が言及したことで「格闘家に専念すべき」論がより強まっている印象だ。

 こうした意見を受けて、朝倉はSNSで「YouTubeをやめて(格闘技)一本でやれなど意見が出ていますが、このままいく。修正点はそこではない。ちなみにだけど、先月投稿したYouTube撮影にかかった時間はトータルで5.6時間ほどです。他の事業10個以上やっていても1日1時間以上仕事する日は稀。おれはとても暇」「かなり格闘技に専念できている。ただ足りてない練習がわかったので改善していく」と反論した。

 だがその一方で、「色んなことに挑戦したい一方で些細なことを幸せに感じられる人でありたくて、欲望が原動力の場合結構矛盾してる気がするけど後者のほうが圧倒的に幸せなんだろうな。一周回ってそっちよりの思考になってきた。色々諦めるのも全然悪くない」といった意味深な言葉もつづっており、どう進んでいくべきか揺れているようにも見える。

 朝倉は昨年11月に出演したABEMAの番組で、YouTube活動や『BreakingDown』だけでなく、アパレルブランド、不動産投資、オンラインサロン、エステサロン、ジュエリーブランド、ダイエットサプリなど15以上の事業を手がけていると紹介され、本人の口から「(全体で)年商は30億円くらいあります」と明かされていた。芸能プロダクションまで立ち上げており、普通に考えれば「これだけ事業をやっていたら多忙で格闘技に専念できないのでは」と思えるが……。

 「路上の伝説」から成り上がり、若い世代を中心に絶大な支持を集める時代のカリスマとなった朝倉だが、その人気の根底には「強さ」がある。格闘技に専念するのか、これまで通りに多くの事業を手がけながら闘っていくのか、どちらを選び、どのような結果を生み出すのかによって、今後の運命が大きく変わる可能性がありそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/08/16 21:00
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