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『M-1グランプリ』で笑いが起こらない?再エントリーに挑む芸人の過酷すぎる環境

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Getty Images

 M-1グランプリ2023が現在予選開催中で非常に盛り上がっている。連日満席で1回戦なのかと思うぐらいの爆笑が起こる時もある。今年は昨年準々決勝以上の参加者は1回戦免除となっている。毎年準々決勝には100組前後の参加者が勝ち上がるので、実力のある100組を除いた参加者が1回戦に参加していることになる。

 1回戦は8月1日~10月4日まで53日間の予選が予定されている。1日当たり150組のエントリーがいるとすると8000組近くのエントリーが予想される。これだけの組数が出演すると敗退に納得しない参加者への救済措置として再エントリーが設けられている。救済措置として素晴らしいのが再エントリーの参加者だけが出る日もある。これは落ちた人しかいないのでその中から本当に救済される形になる。

 9月8日は175組の参加があり、この日は全組が2度目の1回戦挑戦となる貴重な日だった。当日8組の欠席があり、28組合格となった。28組の参加者は1度1回戦で敗退したのちに2回戦に勝ち進むという形となった。これだけ聞くと凄くよかったという印象でしかないが、現場は決してそんな平和な状況ではなかった。連日満席だった客席がガラガラなのだ。一度敗退しているという事でお客さんの応援するモチベーションと参加者の頑張ります欲が減っている様子が如実にお客さんの数として、出ているようでもあった。

 お客さんが少ないという事は登場の時も拍手の数が少なく、漫才を始めなければならない。そして渾身のネタをするのだが、笑い声がない……。色々なライブで仕上げてきた渾身のネタがここではお客さんの数も少なく盛り上がりも難しかったためか笑い声になる事が凄く難しい環境となった。

 M-1グランプリの公式YouTubeでこの日のトップ通過の動画を見る事が出来る。1位ぺんとはうす、2位ウバーバ、3位ジョウダンアオナナテンパイとなるのだが、笑いの量はあるのだがトップですら笑い声がささやかでしかない。1位のぺんとはうすは8月1日に1度目の1回戦を受けているのだが、この日は見に行ったのだが、満席で盛り上がりも絶好調だったのもあり、敗退している日の方が10倍ぐらいウケていたりもする。本人もお客さんが少ないとはいえウケてない日の方で合格をするというのは不本意だったかもしれない。

 M-1グランプリ2008当たりに私が出場した時は再エントリーでなくても1回戦はガラガラで当時シアターDという渋谷にある50人も入れば満杯になる劇場に10人もいたか分からなかった。全員スベった感じになり、当時コンビ組んだばかりの私は敗退して終わった。悔しいというよりも笑わせるお客さんがそもそもいなかったという事に悔しさを感じた。

 それが今回の再エントリー日と似ていたかもしれない。それにしても再エントリー日よりもお客さんの少なかった旧M-1グランプリから比べるとものすごく着実に盛り上がってきている流れはありがたい事だ。初めてM-1グランプリに挑戦した時は会場が視界に入った時から膝が震え楽屋にいる時は怖くて仕方がなかった覚えがあるが、現在もやっぱり怖い。テレビで決勝だけを見ている人からすると気楽だが、参加する方からすると人生がかかっている大会なので、1回戦から体調がおかしくなる。

サンミュージック所属のお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」 のツッコミ。コンビのネタ作りを担当するほか、お笑いに対するプロ目線の考察に定評があり、「M-1」などの大会はみずから大会を観覧して分析。自身のYouTubeやライブなどで披露する。中でも「女性芸人」研究家として、東京スポーツで連載を持っている。 YouTubeチャンネル【馬鹿よ貴方は、新道竜巳のごみラジオ】

Twitter:@kPXfF3Xm1jvbLMS

【サンミュージック公式】馬鹿よ貴方はプロフィール

ばかよあなたはしんどうたつみ

最終更新:2023/09/15 06:00
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