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常に自ら「ハンドル」を握るジャニー喜多川氏、付き人をつけなかった弊害と増えた性加害

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ジャニー喜多川氏

 騒動の終結が見えない一連のジャニーズ事務所性加害問題だが、ここにきて創業者・ジャニー喜多川氏による所属タレント以外への性加害も発覚した。

「フライデー」(講談社/9月29日号)に告発したのは、59歳の元子役の男性。男性によると、16歳だった夏、元マネジャーの女性から新宿二丁目のバーに連れて行かれ、そこに現れたのがジャニー氏だという。

 未成年にもかかわらず、ジャニー氏に酒を飲まされ、その後、マネジャー、ジャニー氏らとともに都内のマンションへ。シャワーを浴びてひとりで寝ていたところ、ジャニー氏が部屋にやってきて、これまでの多くの元所属タレントと同じように性被害にあったというのだ。

「すでに一般人としては、国民栄誉賞を受賞した作曲家服部良一さんの次男・吉次さんが幼少期の性被害を告発している。彼への被害は把握しているだろうが、ジャニーズとしては被害を受けた元所属タレントたちへの損害賠償など、金額や支払い方法を詰めている段階にきて、所属タレント以外の被害者がいるとは想定外だったのでは。この流れは今後続くものと思われる」(全国紙社会部記者)

 ジャニー氏が新宿二丁目のバーを訪れたのは、今から43年前の1980年。田原俊彦、野村義男、近藤真彦の『たのきんトリオ』のを売り出し中の時期だったものの、まだ芸能界で〝帝国〟を築くには至っていなかった。同記事ではバーのオーナーが運転席に座り、ジャニー氏は助手席に、というが……。

「芸能ビジネスを手掛ける前、通訳として米軍基地に勤務している時代からジャニー氏は自ら車の運転をしていました。そして、ジャニーズを創業、社長になってからも自分でハンドルを握っていたという。当時のジャニーズといえば、内勤社員は実姉のメリー喜多川氏、今月に入って退任した白波瀬傑元副社長らの少人数。当時はそこまでの売り上げがなかったからか、自ら運転するのは変わらなかったそうです」(芸能記者)

 やがて会社も大きくなり、所属タレントも増えると同時に性加害の被害者もどんどん増えていった。芸能界に〝帝国〟を築くことになったが、周囲は見て見ぬふりをしていたというわけだ。企業としての重大な欠陥が露呈したという見方もある。

「一般の大手企業はもちろん、ほかの大手芸能事務所もそうだが、トップの身になにかあっては大問題なので、秘書、あるいは専属運転手が四六時中、行動を共にしているのが慣例。ところが、ジャニーズはジャニー喜多川氏が頑なに断っていたのか、実権を握っていたメリー氏が良しとしたのか、会社が大きくなっても自分で運転をしていたことが多かった。どこへ行くにもフットワークが軽いのはいいが、事故を起こしてしまうリスクも高い。

 そして、仮に付き人と一緒に行動させていたら、ひとりでも性加害の被害者を減らすことができたかもしれない。さすがに、晩年は自力で歩くのが厳しいほど足の状態が悪く、お付きの運転手が行動を共にしていた。もはや精力も衰えたのか、晩年の被害者はいなかったはずなのだが……」(同)

 こんなところにも、同族企業の弊害が現れていたのだ。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2023/09/23 07:00
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